海外ニュース編 FRBはゼロ金利継続へ
こんにちは。
exit.です。
今回紹介するのは、Bloombergの8月26日の記事より「Fed Seen Holding Rates at Zero for Five Years in New Policy(アメリカの中央銀行は新しい政策の中でゼロ金利を5年間据え置くようだ)」です。
FRBが金融政策として、今後5年もしくはそれ以上に渡って、短期金利をゼロ金利にすることを維持する方針を決めたようです。
今回の新しいアプローチでは、インフレに対してより柔軟な姿勢を取ることが予想されています。一時的には2%を超えるインフレ率でさえ容認する方向になっているようです。
2016年から段階的に引き上げてきた政策金利は、新型コロナによる経済への影響を少しでも緩和すために、ゼロ金利へと引き下げられてきました。
ジェローム・パウエル議長は、木曜日(8月27日)ジャクソンホール会議で、政策の枠組みのレビューを行う予定としています(新型コロナウイルスによる影響のためバーチャルで行う予定になっています)。
※Youtubeでジャクソンホールでの発言についてみることもできます。
これは投資家にとっては良いニュースになりえます。世界恐慌以来の大きな景気後退の最中であるのにも関わらずFRBの金融政策によって、S&P500の株価指数の取引量が最高水準を記録しました。
Bloombergのエコノミストは、現在のインフレターゲット・アプローチは完璧からは遠いが、代替案もまた欠点を持っている。コミュニケーションの問題や、柔軟性を減らす政策やFEDの信用性や技術的な問題を含んでいます、と意見表明しています。
また、パウエル議長は雇用環境にも目を向けています。コロナ以前の3.5%という記録的な低失業率の状態という完全雇用の状態を目指すとしています。
前FED役員だったデヴィッド・ウィルコックス氏は、危機による被害がはるかに長く続くことが証明されれば、回復までには6年から7年もかかることがわかりました。3年以内で回復ができれば大きな驚きだ、と言及しています。
8月27日木曜日には、ジェローム・パウエル議長がジャクソンホール会議での発表がありました。今回の発言は、市場での事前予測と概ね一致しており、大きなサプライズはなかったと判断されています。記事の中でもありますよう、利上げが当面先送りになっていること、及びFRBがインフレ率2%を上回ることを許容する発言をしたことを受けて、株式市場は強気一辺倒になっているように見えます。日本のお盆前後から証券会社や投資銀行をはじめとした各社が株式市場には強気な意見表明を行っています。
また、将来的なインフレ期待が高まることから、インフレヘッジとして金などの貴金属などに投資資金が流れています。また、金投資に批判的な立場のウォーレン・バフェット氏が、カナダに本社を構えるバリックゴールド社の株式に投資を行ったことで、金への投資がさらに注目を集めています。金への投資はインフレヘッジに主眼が置かれるため、長期投資となり、短期投資にはあまり向きません。
また、ゼロ金利を当面持続するという決定は、債券価格の高止まり(債券投資の利回りの低下)を引き起こすため債券投資には逆風となります。これらのことから、債券投資に向かうはずの投資資金が、株式市場や貴金属(特に金)へと流れる結果となっていると考えられます。しかし、米中対立や中東情勢、新興国のデフォルトの可能性など、大幅な調整となりうるリスクはありますので、強気の中に弱気があるような投資環境が継続するとみています。ご自身でのポートフォリオも定期的に見直し、リスクを取り過ぎていると感じた場合には、リバランスを行うなど、リスクヘッジを行っていただければ良いのではないかと思います。
以下が、今回紹介しました記事のリンクです。
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