海外情報 お役立ち情報編 危機への対応
こんにちは。
exit.です。
退職後を見据えて現役時代から投資をしてきたのに、リタイアのタイミングもしくはリタイアが近づいてきたタイミングで今回の新型コロナウイルスのような相場の急落という事態が起こってしまった、という方もいらっしゃるのではないかと思います。たとえ、それが今回ではなくても、将来、自分の退職が近づいてきたタイミングやリタイア直後に、経済に大きな影響を及ぼすような出来事が起こってしまう可能性もゼロではありません。さらに、日本の場合は今後も個人への増税(消費税や所得税など)の流れに変化はないと考えられますし、将来のインフレの可能性も考慮に入れながら退職後の準備をしなければなりません。
今回ご紹介するKiplingerの3月30日付の記事の「5 Strategies for Retirement Immunity Despite Coronavirus Crisis」は上記のような状況において皆様のお役に立つものかもしれません。この記事の中では5つの方法が紹介されています。
「現金準備をしておく」
これはもしものときのために現金を準備しておくことの大切さを説いています。コロナウイルスのような予測のできない事態に陥った時に、企業がとる行動にはいくつかのパターンがあります。体力(現金)のある企業は終息まで存続することができますし、企業によってはビジネスモデルを変えたり、新規のビジネスを立ち上げたりするかもしれません。そして、体力のない会社は従業員の解雇をしていくことになります。不測の事態に備えて現金の割合と高めておくことは有効なリスクヘッジになります。個人であれば生活費の6か月分の現金・預金を目安にしてください、と聞くこともあるかと思いますので、それを目安にしていただければ良いと思います。
「損失と利益を確定させる」
損失の確定はいわゆる損切りに当たるものです。そして、利益も確定させなければ、ただの評価益ですので、実現(確定)させてはじめて利益(現金)となります。わざと損失を確定させる方法は投資で利益が出ている人が行うことがあります。これは支払う税金を抑えることができる可能性があるために、特に年末に行われることがあります(損出しと言われます)。損失を確定させて再投資する、というのがこの損出しの方法です。相場が大きく下がった時に損切りをして、次の投資に備えることも投資方法の1つとなります。
「確定拠出年金などの積立」
アメリカでは多くの人がIRA(Individual Retirement Accounts:退職後資金積立制度)を利用しています。制度が違うため一概に日本と比較することはできません。日本でもiDeCo(individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)を利用することで拠出金額に応じて所得税と住民税の節税ができます。受け取り時にも税金面で優遇されます。管理手数料などの手数料がかかりますが(証券会社によっては無料の場合もあります)、元本確保型商品(定期預金)などもありますので、値動きの激しい時期に投資はしたくないという方でも安心はできると思います。また、配分変更やスイッチング(例:ファンドAからファンドBに乗り換える)もできますので、状況に応じて対応していくことは可能です。
※ただし、60歳になるまで引き出しはできませんので、その点は注意が必要ではあります。
「収入の流れを変える」
記事の中では、国債と株式のポートフォリオの割合が、新型コロナ騒動による株式の大幅な下落で、国債のポートフォリオの中に占める割合が大きくなっているので、そのような場合は、リバランスをすることが大切になってくると書かれています。勤労収入(年金収入)以外にも副業からの収入や不動産収入、株式の配当金や債券からの利息など複数の収入源があれば、危機に際しても対応が変わってくると思いますし、心理的な負担も軽減することができるかと思います。複数の収入源を持っておくことは不測の事態が起こった場合のリスクヘッジになります。
「借り換えを検討する」
ローンを組まれている方は、借り換えを検討すると有利な条件で借り換えることができる可能性があります。新たに借り入れを起こす場合も、有利な条件(低い金利)で借り入れを起こすことができます。日本でも、新型コロナウイルス感染症特別貸付などがあり、また金融機関でも相談に乗ってくれるケースもあるかと思います。法人だけに限らず、個人であっても金融機関と賢く付き合うことで、資金繰りや家計のお金に関する問題について解決(単なる先延ばしになる場合もあるかもしれませんが)のきっかけになります。
以下に今回ご紹介した記事のリンクを貼っておりますので、ご関心がある場合は一読いただければと思います。
次回も皆様のお役に立つような情報を発信できればと思います。