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投資の基礎 グロース企業の評価としてのPSRとは何か

投資の基礎 グロース企業の評価としてのPSRとは何か

こんにちは。

exit.です。

今回は、グロース企業を評価する際に利用されるPSR(Price-Sales Ratio:株価売上高倍率)について解説したいと思います。


株価の割高や割安、企業評価としては、EPS(Earnings Per Share:1株当たり純利益)やPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)が使われることが多いですが、まだ利益が出ていないグロース企業などについては利用することが出来ません。そこで利用される指標の一つがPSRです。PSRの求め方は、「株価÷1株当たり売上高」もしくは「時価総額÷売上高」です。


PSRのメリット・デメリットについてですが、まずメリットとしては、利益が出ていない企業でも評価可能であり、赤字企業でも、売上高に基づいて評価することができることや業種や企業の成長性が期待される企業の比較に利用できることです。デメリットとしては、PSRが売上高に基づく指標であるため、利益を無視する点で、高い売上があっても利益を生み出せない企業は、将来的に問題を抱える可能性があります。また、売上高だけを基準にしているため、企業の負債や経費が大きい場合、そのリスクを反映できない点もデメリットとしてあります。


PSRの「割高」「割安」の基準は、業種や市場環境、企業の成長性によって異なるため、絶対的な基準はありませんが、一般的には PSRが10倍以上 だと割高と評価されることがあります。これは、投資家が企業の1円の売上に対して10円以上の価値を見出していることを意味します。成長企業やテクノロジー企業のように、高成長が期待される企業ではPSRが高くなりがちですが、PSRが高すぎる場合には、市場が過度にその企業の将来に対して期待している可能性があり、株価がバブル状態にあることも考えられます。また、PSRが1倍以下 だと割安と評価されることがあります。これは、企業の1円の売上に対して、株価が1円以下で取引されていることを意味します。PSRが低い場合、企業が市場で過小評価されている可能性があります。単にPSRが低いからといって必ずしも割安とは限らず、その企業が低成長である、あるいは売上が伸び悩んでいるなどの要因がある場合もあります。


PSR以外にだと、PEGレシオが使われることがあります。 PEGレシオはPERをEPS成長率で割った指標で、PSRと同様に成長企業の評価に用いられますが、利益が出始めた段階での企業評価に適したものとなっています。


PSRは、それ単体で使用するよりも、他の指標(PER、PBR、ROEなど)と組み合わせて使うことで、より総合的な企業評価が可能になります。特に、新興企業や成長企業を評価する際に、PSRは有用なツールとなりますが、企業の収益性や財務健全性も併せて評価することが重要です。PSRが高すぎる場合、株価が過剰に評価されている可能性があるため、投資を行う際には慎重な判断が求められますが、逆にPSRが低すぎる場合、その企業が市場で過小評価されている可能性がありますが、同時になぜPSRが低い状態となっているかを投資する際には調べる(確認する)ことが必要となります。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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