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世界経済 海外企業編 Palantir Technologies Inc.

世界経済 海外企業編 Palantir Technologies Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は、2024年5月6日に第一四半期の決算発表を行ったPalantir Technologies Inc.(以下、パランティア)(ティッカー:PLTR)について取り上げたいと思います。


パランティアは、2003年5月にPayPal Holdings Inc.の共同創業者であるピーター・ティール氏(OpenAIの共同創業者でもあります)が設立したコロラド州デンバーに本拠を置くデータ分析及びソフトウェア企業(AIを活用したサービスを提供しています)で、2020年9月30日にニューヨーク証券取引所で上場しました。パランティアのデータ解析技術は、製品開発などのような範囲にとどまらず、金融取引監視やテロ対策などの犯罪捜査及び国防関連のようなデータセキュリティについて非常に厳格な要件を満たす必要がある顧客向けのサービスも提供している企業です。


パランティアの第一四半期の決算ですが、売上高の実績は6.34億ドルで市場予測の6.17億ドルを上回りましたが、一株当たり利益(EPS)は実績が0.08ドルでこちらは市場予測と同額になりました。また、第二四半期のガイダンス(見通し)については、売上高6.49億ドル~6.53億ドルで市場予測6.43億ドル、通期のガイダンスは売上高26.77億ドル~26.89億ドルで市場予測の26.8億ドルを上回る結果となりました。損益面を見ますと、売上高は前年比(四半期比較)で+21%となり、一時13%台にまで下がった前年比の数値の回復傾向が続いていることが読み取れます。また、営業利益率も売上同様に回復傾向が続いています。政府向けの売上高の増加は今回のような決算が続けば回復基調と考えられ、企業向けも堅調に推移しているとみることができそうです。次に貸借対照表ですが、自己資本比率は80%ほどとかなり高いのですが、まだ利益が大きく出ている企業ではないため55.4億ドルほどの累積赤字が計上されています。流動・固定併せても負債の金額は大きくはなく、流動資産の部に多額の売買目的有価証券(余剰資金運用のため)が計上されているため、流動比率は590%超と高くなっています。最後に、キャッシュフロー計算書ですが、営業活動に係るキャッシュフローは1.29億ドルで前期の1.87億ドルから悪化はしていますが、主要因は売掛金が前期と比較して大きく増加したことによります。投資活動によるキャッシュフローに目を通しますと、一番のキャッシュアウト項目として、投資目的で購入している有価証券となっており、企業活動に必要となる設備等への投資では264万ドルほどとなっており、フリーキャッシュフロー(営業活動に係るキャッシュフロー-投資活動に係るキャッシュフロー)はプラスとなっています。


パランティアの躍進は同社のAIプラットフォーム(AIP)に対する顧客からの評価の高さを示しており、また政府機関との取引も大きいことから、セキュリティの信頼度も高いことがうかがえます。ただし、パランティアの業績は、今後のライバル企業の増加の可能性や主要顧客の政府期間の方針転換などにより影響を受ける可能性があります。AIへの投資は今後も増えていくことが確実視されており、今は評価が高くマーケットシェアをとれていても、5年後には企業のマーケットシェアが大きく変わってしまう(増加する場合も減少する場合も)可能性はあります。今後も投資家からの注目が集まる分野であると思います。


以下は、パランティアの投資家情報(IR)へのリンクです。

https://investors.palantir.com


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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