世界経済 海外企業編 Walmart Inc.
こんにちは。
exit.です。
今回は、2023年8月17日に第2四半期の決算発表を行ったWalmart Inc.(以下、ウォルマート)(ティッカー:WMT)について取り上げたいと思います。
ウォルマートはアメリカのアーカンソー州ベントンビルに本拠を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンです。同社はまた世界最大の売り上げ規模を誇る企業としても知られています。1962年7月2日に、最初のウォルマートがアーカンソー州のロジャーズにサム・ウォルトン氏によってオープンしました。同社は1972年にニューヨーク証券取引所に上場しています。
ウォルマートの第2四半期の決算ですが、売上高の実績は1,616億ドルで市場予測の1,603億ドルを上回り、一株当たり利益(EPS)は実績1.84ドルでこちらも市場予測の1.70ドルを上回りました。ただし、ガイダンスについては、第3四半期の売上高の見通しは1,574億ドルで市場予測の1,573億ドルを上回りましたが、EPSの企業見通しが1.45ドル~1.50ドルで、市場予測の1.50ドルとほぼ同水準となっています。また、2024年度通期での売上高見込みは6,373億ドルで市場予測の6,375億ドルを下回りましたが、EPSは6.36ドル~6.46ドルで市場予測の6.28ドルを上回る数値を発表しています。キャッシュフロー計算書を見てみますと、営業活動に係るキャッシュフローは182億ドルで、投資活動に係るキャッシュフローは-92億ドルとなっています。フリーキャッシュフローは+90億ドルほどあり、財務キャッシュフローの-33億ドルを考慮に入れても、57億ドルほどプラスとなる計算二なります。貸借対照表で計算できる流動比率こそ100%を下回っていますが、自己資本比率は30%を超えていますので、安定性はあります(実店舗があるので、固定資産の比率が高くなっています)。
※EPSについては、0.05ドルがLIFO(Last In First Out:後入れ先出し法)による影響を含めているとしています。
ウォルマートの決算では、お得感が消費者をつなぎとめていることが、売り上げにプラスに作用しており、ECの伸びもまた業績を支えています。ただし、一部の店舗では窃盗の多発が問題視されており、人々(おそらく顧客だけではなく従業員も含めて)を守るための措置が講じる必要があるともCFOは述べています。個人消費は堅調ですが、窃盗はウォルマート以外の企業にももちろん影響を与えています。また個人消費を支えている超過貯蓄が今年中になくなるのではとの予想もありますので、個人消費の動向にも注目をしておくとよいかもしれません。
アメリカ経済はGDPの約7割を占める個人消費が前期比年率+1.6%と堅調を維持していることを背景に実質GDP+2.4%(米国商務省が7月27日に発表)と4期連続のプラスとなりました。堅調な経済はソフトランディングに対する期待感を高めていますが、同時に金利が高止まりするのではという警戒もされています。高金利状態が続くことは株式にとっても景気にとってもあまりよいことではないと考えられており、高金利状態が継続すれば経済を壊してしまう可能性があるとの見方もあります。
以下のリンクはウォルマートの投資家情報(IR)へのリンクです。
https://stock.walmart.com/home/default.aspx
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。
以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。