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世界経済 先週の中銀ウィークの振り返り

世界経済 先週の中銀ウィークの振り返り

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、アメリカのFOMC、ECBの政策理事会、日本の日銀政策決定会合のそれぞれの内容についてまとめていきたいと思います。


アメリカのFOMCは7月25日~26日にかけて行われました。市場予想通りの0.25%の利上げを行い、政策金利は5.25%~5.50%となりました。声明文では景気認識について若干の上方修正を加えており、アメリカ経済の強さを示しています。また、景気後退の可能性については想定せずとしており、景気後退の可能性の後退を示しています。利上げも今回のFOMCで打ち止めになるとの予測もあります(FRBはデータ次第としています)。ただし、これで懸念事項がすべてなくなったわけではなく、特に株式市場では、①景気後退はしない(=企業業績は好調を維持する)、②インフレは終息する(=高金利状態は終わりを迎える)ことを前提として上昇を続けてきました。この前提が崩れることがあれば調整を余儀なくされる可能性はあると思います。またコロナ禍の時に、大規模な財政出動を行った結果、家計には過剰貯蓄が生まれましたが、これが2023年年末ごろには枯渇する可能性が浮上してきており、2024年の個人消費に影響を与えるのでは、との予測もあります。インフレについても高止まりする可能性はゼロではなく当面高金利が続く可能性も見ておいたほうが良いかもしれません。今年のジャクソンホール会議は8月24日~26日にかけて行われますので、こちらも注目されています。


ECBの政策理事会は7月27日に開かれました。こちらも市場予測通りに0.25%の利上げを行い、主要政策金利は4.25%となりました。市場予測ではECBの利上げも今回で打ち止めになるとの市場予想が半数近くを占めています。ECBの量的引き締めのペースはアメリカよりも早く、貸出についてはコロナ前の水準に戻っています。今後の利上げについてラガルド総裁はFRBのパウエル議長と同様にデータ次第としていますが、景気悪化のリスクについてはアメリカ以上に敏感に反応しているような印象です。ECBは、インフレ率は高すぎるがインフレ率は低下し続けているとの認識を声明文で示しており、インフレのピークアウト感を明確に打ち出してきています。ただし、欧州での景気減速は続くとの予測もあり、企業業績も伸び悩む(もしくは下落する)となると、株式のパフォーマンスとしては低調になるかもしれません。

※イングランド銀行(BOE)は政策金利を5.00%としていますが、金利引き上げの回数の市場予測は3回程度となっていますので、最終の金利の着地はアメリカよりも高くなる可能性もあります。


日本の日銀政策決定会合は7月27日~28日にかけて開かれました。その中で大きな話題になったことは、10年債の利回りを今までは±0.5%で収まるように誘導するとしてきたものが、新たに発表された内容は、毎営業日に1%の固定金利で指値オペするというものでした。これは、事実上10年国債の利回りを1.00%までの上振れを容認するというように受け取れる内容でした。植田総裁は、これは金融引き締めではなく金融緩和の持続性を高めるための措置であるとしています。また、経済・物価情勢の展望レポートの中で、23年度と24年度、25年度の実質GDPや消費者物価指数の見通しも発表しています。23年度の実質GDPは若干の下方修正で24年度及び25年度は変更なし、消費者物価指数に関しては、23年度の見通しを上振れさせて2.5%とし、24年度は逆に下振れさせて1.9%としています。来年度のインフレ率の見通しについて2.0%を下回らせることで金融緩和の継続の正当性を訴えているような印象を受けます。インパクトはありましたが、マイナス金利の継続やETFやREITの購入条件も変更もしておらず、インフレ見通しに対して金利上限1.00%は低く、実質金利(名目金利-インフレ率見通し)はマイナスとなっておりので、金融緩和の継続という認識になるかと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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