NEWS

世界経済 7月のFOMCの内容とアメリカの第2四半期のGDPについて

世界経済 7月のFOMCの内容とアメリカの第2四半期のGDPについて

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、7月26日~7月27日のFOMCと7月28日に発表されましたアメリカの第2四半期のGDPの内容について見ていきたいと思います。


7月のFOMCでは、0.75%の利上げが市場予測通りに行われることとなりました。その結果、政策金利は2.25%~2.50%となり、政策中立金利である2.375%とほぼ同水準となりました。9月についても、引き続き利上げを行うことがジェローム・パウエル議長から発表されています(「もう一度、異例の大幅利上げが適切」との趣旨の発言をしています)。次回のFOMCの利上げ幅としては、0.5%もしくは0.75%と見られていますので、0.5%の場合ですと政策金利は2.75%~3.00%、0.75%の場合ですと政策金利は3.00%~3.25%となります。その後の利上げについては、経済の様々な数値を基に決定を行うとしています。物価については、需要と供給のバランスがパンデミックやエネルギー価格や食料価格の高騰によって、広い範囲で価格圧力がかかっている状態だとしています。


GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)の第2四半期は前期比で-0.9%(市場予測は+0.5%)となり、第1四半期の-1.6%に引き続きマイナス成長となりましたGDPの計算方法としては「(個人)消費+(民間設備)投資+政府支出+輸出-輸入」となります。今回の第2四半期の数値では消費は1.0%とプラスとなっていますが、投資は-13.5%と大幅に減少しています。その中でも特にマイナスが大きかったのは、住宅関連で-14.0%となっています。政府支出も-1.9%とマイナスとなっています。輸出は18.0%とプラスになり、輸入は3.1%となりました。2回続けてマイナスとなった場合には、テクニカルリセッションと呼ばれる状態になります。正式にリセッションとなるためには、政府公認の研究機関である「全米経済研究所(NBER:National Bureau of economic Research)」が景気後退かどうかを判定することになります。現状では、パウエル氏も財務長官のジャネット・イエレン氏も経済のリセッション入りに関しては否定をしていますが、Ark Investment Managementのキャシー・ウッド氏はすでにリセッション入りをしているとしています。パウエル氏とイエレン氏の否定の根拠としては、強い雇用環境(労働市場)の存在があります。雇用のコストが引き続き強く(高く)、失業率は低い状態が続いているためです。

※輸出-輸入を純輸出と言います。


FOMCとその後のGDPの結果を受けて、アメリカの10年国債の利回りは2.8%から2.65%ほどに低下しました。日本の10年国債の利回りは2.5%を下回ってきました。日本国債を売っていたヘッジファンドの撤退(円の買戻し)と利回りの縮小を受けて円は一時132円台まで円高が進みました。ただし、アメリカで利上げが続いていく以上は2021年末のような1ドル=115円の水準にはなかなか戻ってはいかないと考えています。アメリカの国債の利回りが低下していることが良いことかどうかは不透明なところがあります。投資家は、「現在FRBは利上げをしているが、その利上げは近々(恐らく年内)に終わり、利下げ(金融緩和)に転じる」という楽観的な期待をしているとみることができます。このことは、FRBの金融政策の効果を薄める可能性があり、結果としてインフレを長引かせる可能性があることには留意しておく必要があると思います。もし、利回りの低下が進めば、FRBのメンバーからタカ派的は発言が出てくる可能性もあります。


8月は25日~27日にかけてジャクソンホール会議が開催される予定となっています。FOMCは9月20日~21日にかけて開かれます。CPI(消費者物価指数)がいつピークアウトするのかそれとも高止まりしてしまうのかが、今後の金融政策を決定すると思われます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。