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海外ニュース編 暗号資産に対する大統領令などについて

海外ニュース編 暗号資産に対する大統領令などについて

こんにちは。

exit.です。

2022年3月9日に暗号資産に対する大統領令に署名を行いました。今回のコラムでは、その大統領令の内容やその他暗号資産に関わることについて見ていきたいと思います。


今回の大統領令については「Executive Order on Ensuring Responsible Development of Digital Assets」となっています。日本語では、「暗合資産の責任ある発展を確保する大統領令」が近いかと思います。

※本コラムでは、Digital Assetsを暗号資産と訳していますが、本来の意味合いは暗号資産を含めたデジタル資産全体のことを指していると思います。


Fact Sheet(概要報告書)では次の7つがポイントとして挙げられています。①消費者、投資家及び企業の保護、②アメリカおよび世界の金融安定化の保護及びシステミックリスクへの対策、③暗号資産の違法利用によって引き起こされる不正な金融リスク及び国家安全保障の軽減、④技術及び経済競争力におけるアメリカのリーダーシップの促進及びグローバルな金融システムにおけるアメリカのリーダーシップの強化、⑤安全で公平な金融サービスへのアクセスの促進、⑥技術進歩をサポートし、暗号資産の責任ある開発及び利用の確保、⑦米国中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の可能性を探ること、の7つです。


暗号資産の時価総額としては、2021年11月に3兆ドル(およそ360兆円:1ドル=120円)を突破したこと(2016年11月では140億ドル(およそ1.68兆円)でしかなかった)や、成人アメリカ人の約16%(約4,000万人)が暗号資産への投資やトレードや決済としての利用経験があると回答していることが書かれています。そして、100か国以上が中央銀行の管理するデジタル通貨について調査及び試験運用をしている現状についても触れられています。


一部では大統領令で規制について触れられてビットコインなどの暗号資産の価格が大きく下落するのではないかと警戒する声もありましたが、現状ではそのような値動きにはなってはいない印象です。現在は、株式などのリスク性資産と同様にロシア・ウクライナ情勢や金融正常化(Normalization)及び引き締めへの転換、インフレ率の高止まりやコモディティ価格の上昇などの様々な要因が関係してビットコインなどの暗号資産の価格の動きもさえないものになっていると考えられます。金融政策の影響が落ち着き、世界情勢の緊張が緩和すれば目先は再び上昇基調に戻る可能性はあると考えています。ただし、バークシャーハサウェイ社のウォーレン・バフェット氏は暗号資産について否定的な見方をしており、著名投資家のジム・ロジャーズ氏は政府による規制の可能性があることについて触れるなど慎重派な姿勢を取っています。世界最大のヘッジファンド運営会社のブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は暗号資産の保持を行っていますが、政府規制などを念頭に置き、資産のごく一部にとどめていると発言をしています。また、アークインベストメントのキャシー・ウッド氏やスクエア(現ブロック)のCEOジャック・ドーシー氏は暗号資産について強気の発言を行っているなどしており、人によって暗号資産の将来性について見方が大きく分かれています。

※ビットコインをデジタルゴールドと考える向きもありましたが、ロシアのウクライナ侵攻時に金は上昇してビットコインは下落したことから、金と同様に考えることができるのかについては疑問が残る形になっています。


政暗号資産への投資などに規制をかけている国もありますが、デジタル通貨などを含めて暗号資産の技術は今後も発展していくことと考えられます。それに伴い暗号資産への投資に対する人々の考えも変化していくかもしれません。


以下のリンクは暗号資産に対する大統領令の全文です。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2022/03/09/executive-order-on-ensuring-responsible-development-of-digital-assets/


以下のリンクは暗号資産に対する大統領令のファクトシート(簡潔にまとめられた文章です)。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/03/09/fact-sheet-president-biden-to-sign-executive-order-on-ensuring-responsible-innovation-in-digital-assets/


どちらのリンクも英語ではありますが、ファクトシートの方はサマリーのようなもので、要点が簡単にまとめられている上に、読みやすくなっています。文章の長さも長いものではないため一度チャレンジしてみても良いかもしれません。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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