世界経済 海外企業編 Coursera, Inc.
こんにちは。
exit.です。
今回は2021年3月31日にナスダックに上場を行ったCoursera, Inc.(以下コーセラ)(ティッカー:COUR)について取り上げたいと思います。11月2日に2021年の第3四半期の決算を発表していますので、どのような会社なのかを紹介しながら、第3四半期の決算の内容について見ていきたいと思います。
コーセラとは、オンラインで教育コンテンツを提供するプラットフォームの企業です。数々の有名大学(スタンフォード大学など)などの教育機関や民間企業(GoogleやIBMなど)とも提携・連携を行っています。失業者、経済的に余裕のない人や転職などのために新しいスキル(技術)が必要となる人のために、就職や仕事に直結する科目を無償で提供するなど社会的なニーズにも応えている企業でもあります。またコースを受講し終わると認定証がもらえる場合もありますので、モチベーションを保つことにも役立ちます。この認定証は就職や転職などでの知識やスキルの証明証として利用ができますし、LinkedIn(ビジネス版のフェイスブックをイメージしてもらえればと思います)でシェアすることもできます。無料で利用できるコンテンツもありますので、まずは試しに利用してみてから有料コンテンツに移動する、ということができます(会社側もそのような設定(ビジネスモデル)としています)。
※オンラインでの学習となるため実際の大学のようにはいかない点ももちろんあります。
コーセラの第3四半期の決算ですが、売上高は109.9百万ドル、純損失は32.5百万ドル、一株当たり利益(EPS)は-0.06ドルとなっています。来期(第4四半期)の売上の見込み(ガイダンス)は111.0百万ドルとなっています。市場予測(コンセンサス)は売上高が108.4百万ドル、一株当たり利益は-0.09ドル、第4四半期の売上高(ガイダンス)は109.8百万ドルとなっていたので、売上高・一株当たり利益・ガイダンス全てで、企業側の発表は良かったことになります。売上高は前年比比較で+33%の成長となっています。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー)は第3四半期だけでは、7.1百万ドルの黒字、2021年度(9カ月)では10百万ドルの赤字となっています。また10以上の新たなパートナー(提携先)を迎えたことも発表しています。インドのトップ大学群(インド工科大学ボンベイ校など)や民間企業(Oracleなど)が加わりました。コーセラの登録者は9,200百万人となっており、前四半期から550百万人の増加となっています。パートナーとなっている大学や企業の数は250を超えており、有料サービスを利用している会社も711社あり、これは前年と比較して124%の伸びとなっています。また、認定証を取得している利用者も増え続けています。
コーセラはコロナによる恩恵を受けるいわゆる「コロナ銘柄」という扱いをされている記事を見かけることもありますが、大学のような高等教育や就職や転職などに必要となる新しいスキル・技術・知識を学ぶための教育・習得の場へのニーズが減少していくということは想像しにくい状況です。さらに今後の自動化(オートメーション)の影響を強く受ける可能性が高いのは、高度な技術・知識・技能などを必要としなくなる低技能職(low skilled jobs)であるとされており、該当する職に就いている人たちへの教育支援が必要になってきます。増えていく職種や需要が増加していく職種としては、データアナリスト、AI分野の専門家、アプリの開発者やデジタルマーケティング関連などのような、情報技術関連が並んでいます。
コーセラはハイパーグロース株と呼ばれるような企業の成長率と比較をすると物足りなさはあるかもしれませんが、教育という社会的なニーズの高い事業を行っています。無料で利用できるサービスもありますので、興味のありそうな分野のコースを探して受講してみても面白いかもしれません。
以下のリンクが、コーセラのIRのページです。
https://investor.coursera.com/overview/default.aspx
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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