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海外ニュース編 ”60-40”のポートフォリオはインフレのリスクにさらされている

海外ニュース編 ”60-40”のポートフォリオはインフレのリスクにさらされている

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは、2021年10月12日のBNN Bloombergより「銀行のアナリストが60/40のポートフォリオはインフレによって打撃を受けるかもしれないと警告している」を紹介したいと思います 。


最初に、60/40のポートフォリオについて説明をしたいと思います。これは、株式と債券のポートフォリオに占める割合のことです。投資している金融資産のうちの60%を株式で保有し、40%を債券で保有するポートフォリオのことで、このポートフォリオは非常に伝統的なものとなっています。このポートフォリオが機能したのは、株と債券が負の相関関係にあったことや、成長の鈍化によるものでした。しかし、今このポートフォリオを脅かしているのは、インフレ圧力によるリスクです。Bloomberg社のモデルによると、このポートフォリオのリターンは2021年9月に新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが始まって以来の月間の最悪の落ち込みを記録することになりました(4%ほどの下落となっています)。Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)やGoldman Sachs Group(ゴールドマンサックス)、Deutsche Bank AG(ドイツ銀行)などは60/40のポートフォリオについて懐疑的になっています。バンク・オブ・アメリカは、「60/40の終わり」と呼び、ゴールドマンサックスはこのポートフォリオによる損失が10%に膨れ上がる可能性があると述べ、ドイツ銀行は株式と債券の関係が変化することに対応する必要があると述べています。この記事ではない上に、去年の12月と少し古い情報にはなりますが、債券運用残高で世界最大級のアクティブ運用会社のPIMCOは60/40はまだ機能すると考えていると述べています。株式に投資をするだけではボラティリティ(価格のブレ幅)が大きくなるため、このボラティリティを抑制するためには引き続き債券にも投資を行う必要があると考えているためです。ただし、2021年も債券がリスク性資産を効果的に補完しうるかどうかは焦点になるとも記事の中で述べています。


現在のような低金利の環境では、債券価格は高止まりし、債券の利回りは大幅に低下をしており、債券が魅力的な投資先ということはできない状況です。FRBは今年中のテーパリングや来年の利上げの可能性を示唆しているため、今債券投資を行ってしまうと、金利が上昇し、債券価格が下落する可能性が高くなり、投資信託などのファンドなどで運用をしている場合には含み損を抱えることになりかねません。債券の現物に投資を行っているのであれば、償還さえされれば途中で売買しなければ損失が出ることは(基本的には)ありません。ここで、注意しないといけないのは、債券と株式の両方に投資をしている場合、テーパリングや利上げで、株価が下がり、金利が上がることで債券価格も下がり、株式及び債券の両方で損失を出してしまう可能性だと考えています。コロナ・ショック前のように、債券・株式のポートフォリオが機能するようになるのは、まだもう少し先のことかもしれません。当面は、債券ではなく金やプラチナなどの現物資産を代わりに保有することで分散させるのも一つの手だと思います。債券が株式のボラティリティを抑え、補完的な役割を果たすものになるかは、2021年だけではなく2022年も引き続き焦点となりそうです。


以下が、本コラムで取り上げたニュースへのリンクとなっております。英語になっておりますが、ご興味がありましたらご確認ください。

https://www.bnnbloomberg.ca/banks-analysts-warn-that-60-40-portfolios-could-be-battered-by-inflation-1.1665279


以下のリンクは、以前にコラムで60/40ポートフォリオについて取り上げたものです。この時も海外のニュースの紹介をしていますので、併せてご覧ください。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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