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世界経済 ファンダメンタルズが分かりにくい相場

世界経済 ファンダメンタルズが分かりにくい相場

こんにちは。

exit.です。

今回は、ファンダメンタルズでは読みにくくなっている株式市場について取り上げたいと思います。


株式市場のパフォーマンスについてですが、9月と10月(コラム執筆時点)の株価はあまり目立ったパフォーマンスにはなっていません。アメリカでは金融緩和が終わる(テーパリング)ことが意識をされており、政策金利については来年には利上げになる可能性があることが示唆されています。また、金融緩和を背景とした金融相場から、企業の業績をベースとした業績相場への移行も意識されていますが、コストプッシュ型のインフレが懸念されており、同時にサプライチェーンの問題などで先行きの業績が不透明になっている企業が出てきています。テーパリング及び来年に行われるかもしれない利上げを背景に、金利(10年国債の利回り)は上昇し、ドル高の基調を強めています。ただ、ドル高は新興国の通貨安になる可能性が高く、そうなった場合には、基本的には新興国からの資金流出及び株安となりますが、新興国の株安(中国は特殊要因のため除く)が目立っている様子はありません。またドル高となれば資源価格は抑制される可能性がありますが、現在は電力不足を背景とした資源需要が強く資源価格は上昇している状況になっています。金利(10年の国債利回り)が上昇すれば株価は調整となるはずのものが、目立った大きな調整は起こっていません。現在までで起こったのは短期間で終わる小幅な調整でした。


上記したように、金利上昇すれば株価は調整するはず、金利が上昇すればドル高となり、新興国株式にはマイナスになるはず、ドル高になれば資源価格も落ち着くはず、インフレが意識されるのであれば企業業績には目先としてはマイナスで株価は上昇しにくいはず、という結果とはほぼ逆(大きな調整が起こっていないという意味で)のことが起こっています。つまり、現在の相場はファンダメンタルズが読みにくい相場になっているということが言えるのではないかと考えています。今の相場は、どちらかというとファンダメンタルズ面ではなく、テクニカル面や心理的な要素を強く反映した相場になっているように感じています。


ポートフォリオについても、株価の下落をヘッジする目的で、債券を組み込んでいたポートフォリオは、金利上昇により債券価格が下落し、同時に一時的とはいえ株価も下がったため、株と債券の両方を持っているポートフォリオのパフォーマンスはこの期間では悪くなっています。そのため、債券ではなく金などのような実物資産を加えたポートフォリオの方が安定するのではないかと考えられます。


今後のファンダメンタルズ面についてですが、アメリカ政府の債務上限問題は解決が先送り(12月に先送り)されているだけであり、根本的な解決はまだしておりません。金融政策面ではテーパリングは年内に発表・実施される公算が強く、来年の利上げ(可能性)も意識しておかなければなりません。また、中国恒大集団をはじめとした中国経済の問題が本当に中国一国の問題や中国国内の影響だけで済むのか不透明です。そして、それが不動産を始めとした経済問題が本当に中国政府によってコントロール可能なものなのかも結果はまだわかっていません。


積立投資の場合は、マーケットタイミングを計るものではないので、淡々と積み立てていくことが大切になります。コア・サテライト戦略をとっており、サテライトの運用をどうするかを考える場合には、慎重に判断をしていく必要があると思います。リタイアを目前に控えた方などは今一度、自分のポートフォリオを確認して、不安があればリバランスの時期ではなくてもリバランスを行う、もしくはポートフォリオの組み換えを行うなど防御策を念のために取っておくことも一つの案だと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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