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投資の基礎 投資信託編 予想分配金提示型投資信託とは何か

投資の基礎 投資信託編 予想分配金提示型投資信託とは何か

こんにちは。

exit.です。

今回は、予想分配金提示型投資信託とは何かについて取り上げたいと思います。


予想分配金提示型投資信託とは、基準価額に応じて分配金の金額水準を決定し、分配金の水準を予め提示しているタイプのファンドになります。分配金の金額が過大な(元本の取り崩しになっている)ものではなく、また分配金についてのルールが分かりやすいことに特徴があります。予想分配金提示型投資信託は、基準価額の水準に応じて支払われる分配金の額があらかじめ決まっており、毎決算期末の基準価額を基にして、ファンドの分配方針に基づいて最終的な分配金額が決定されます。例えば基準価額が1万2千円以上1万3千円未満であれば、100円分配されるファンドであれば、決算期の基準価額が1万2千5百円の場合は、100円が分配されます。決算時に分配をするかどうかや具体的な分配額の決定については運用会社に決定権があります。そして、分配金の支払いは確約されているものではなく、実際の分配額(分配金の増額や減額など)も決算を迎えるまで分からないというのが今までの投資信託でしたが、予想分配金提示型投資信託なら、分配金の見込額も決算期の基準価額により事前に把握できます。分配金の原資自体は、ファンドに組み入れられている資産からのインカムゲイン(金利収入や配当収入)やキャピタルゲイン(売却利益)であり、通常の投資信託と同じです。


毎月のキャッシュフローを生み出すものであれば毎月決算型ファンド(毎月分配型投資信託)もありますが、こちらは毎月一定額の分配金を支払うために運用収益を超えた分配を行うことに対する懸念や長期の資産形成に向かないという見方の広がり純資産額は減っています(逆に予想分配金提示型投資信託の純資産額は増加傾向にあります)。毎月分配型のファンドに対しては、元本取り崩しによる分配が多く、このことについて金融庁が問題視し、金融機関が販売を手控えていることが要因の一つとしてあります。金融庁は「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を金融機関に対して強く求めており、また金融機関もフィデューシャリー・デューティーを掲げるようになってきています。


ただ、毎月一定額の分配金を受け取りたいという投資家(特にリタイアしている層から)の需要は根強く残っています。その点、予想分配金提示型投資信託は投資収益が出ている場合に予め定められた水準の分配を行い、基準価額が一定水準以下の場合には分配が出ないという(分配金のルール)設計になっています。毎月、分配金を受け取りながら、長期間にわたって資産運用を行いたいという投資家のニーズに応える金融商品と考えられます。しかし、長期の資産形成を目的とする場合には、定期分配型のような投資信託ではなく、なるべく決算回数の少ないファンド(分配金を出さないタイプのファンド)を選ぶのが王道です。特に、毎月決算を行うタイプの毎月分配型は、運用効率の観点でおすすめできません。分配金を受け取るたびに税金が引かれることになりますし、またこのようなファンドにはアクティブ・ファンドになっていることから信託報酬などの費用面で見ても不利になることがあります。すべてのアクティブ・ファンドが悪いわけではありませんが、インデックス・ファンドをアウトパフォームしているファンドを探すためには目利きが必要になります。


資産形成が必要な段階では、予想分配金提示型のファンドをポートフォリオの主力としてしまうと、費用面やパフォーマンス(運用成績)面でどうしても劣ってしまう可能性が高くなってしまいます。このようなファンドは自分のリタイアが近づいてきたときに、その時のリスク許容度やポートフォリオの全体的なバランスを見て組み込むかどうか、組み込むとしたらどのくらいの割合にするのかを考えていけばよいと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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