世界経済 海外企業決算編 Vimeo
こんにちは。
exit.です。
今回はVimeo, Inc.(ティッカー:VMEO、以下ヴィメオ)という企業について取り上げたいと思います。親会社のIAC(ティッカー:IAC)がヴィメオを今回スピンオフ(事業の一部や子会社を切り離して分離・独立させること)させて市場での取引開始となりました。
ヴィメオはプロ向け動画サービスを提供する会社です。また、利用者の多くはクリエイターとなっており、またNext YouTube Platformのとして名前が挙がる企業となっています。YouTubeとの違いですが、YouTubeは無料で動画をアップすることが可能で広告により収入を得ていますが、ヴィメオは動画をアップする側から利用料を得ることで収入を得ています。また、ヴィメオは、ユーザー自身が制作した動画作品のみアップロードを許可しています。そして、商用目的の動画や映画やゲームプレイ画面などの動画は許可していません(プランにより適用範囲は異なります)。これによって、ヴィメオはアップされる動画の質を担保しています(質も高い動画がアップされるようにしています)。また、YouTubeのように視聴者が広告を見る必要はありません(動画をアップする側から料金を取っているため)ので、視聴者としてはストレスなく動画を見ることができるサービスです。ただし、YouTubeと比較すると規模は小さく、SEOに関してもYouTubeの方が上です。そのため、視聴数やアクセス数はヴィメオよりも大きくなりますので、商品やサービスの知名度を高めたい場合には、YouTubeの方が有利になります。限定公開動画をアップするという点で見ると、ヴィメオは動画自体にパスワードを設定できるため、リンクさえわかってしまえば動画が見られてしまうYouTubeとは異なります。この点では、ヴィメオを利用するほうが利点がありそうです。
ヴィメオは2021年5月25日にIACより完全にスピンアウト完了し、NASDAQにて取引開始となりました。2021年5月7日にSECに提出された10-Q(四半期報告書)をヴィメオのIR(投資家向け情報)のページで見ることができます。第一四半期の売上高ですが、2020年の約57百万ドルに対して2021年は約89.4百万ドルで1.57倍となりました。1株当たり利益は、-0.14ドルから0.02ドルとなり、黒字となっています。ただし、これはハードウェアビジネスの売却に伴う収益を計上した結果であり、本業での黒字とはなっていません。しかし、今後も利用者は増加が見込まれていること、及びサブスクリプションによるビジネスモデルとなっているので、解約が無ければ収益が上がるモデルとなっているため比較的業績が安定しやすいこともあり、営業利益の時点での黒字化もすぐに達成するとみられます。営業キャッシュフローはまだ赤字となっていますが、資産の売却があったため、営業キャッシュフロー-投資キャッシュフローで求められるフリーキャッシュフロー(FCF)は黒字となっています。2021年6月14日に公開された情報では、利用者が第二四半期の4月では21%の伸び、5月は18%の伸びとなっており、順調に利用者が増えていることが分かります。現在、1.6百万人ほどの課金利用者がおり、利用者(企業含む)は2億人以上となっています。
以下はヴィメオの投資家向け情報のページへのリンクです。すべて英語で情報公開をされていますが、取引開始となったことで、証券会社のページなどで基本的な情報は確認ができるのではないかと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。