世界経済 海外企業決算編 Zoom Video Communications, Inc. 第2回目
こんにちは。
exit.です。
2021年6月1日にZoom Video Communications, Inc.の第一四半期の決算発表がありました。今回はその内容を見ていきたいと思います。
第一四半期の最初の3か月間の売り上げを2021年と2020年で比較を行っています。売上高は956百万ドルと328百万ドルであり、およそ2.9倍になっています。また、利益に関して比較を行うと、227百万ドルと27百万ドルであり、約8.4倍となっています。1株当たり利益では、0.74ドルと0.09ドルで約8.2倍となっており、順調に売上や利益を伸ばしていることが分かります。キャッシュフローを見ると営業活動によりキャッシュフローが533百万ドルと前期比較の259百万ドルと倍以上になっています。そして、投資キャッシュフローが大幅なマイナスとなっていますが、これは有価証券(Marketable securities)の購入による影響が大きいです。有価証券の購入と言っても、上場企業の多くは保守的な有価証券の購入を行うことが多いですので、短期国債などの債券を中心にしていると考えられます。決算書を見ればすでに潤沢なお金を稼ぎだせる企業であることが分かります。
一時期は、新型コロナウイルス感染症のワクチンが普及すれば勢いに陰りが出てくるのでは、とも見られていましたが特にそのようなことは現状では見ては取れません。企業が職場に戻った後でもWEB会議システムの利用をやめることは現実的ではないと考えられます。出張の数を減らして、WEB会議を増やす方向であると発表する企業もあります。また、お客さまや取引先が引き続きZOOMの利用をしていれば、必然的に相手の企業もZOOMを利用し続けることになります。
また、Zoomは2021年6月9日に「Zoom Launches Zoom Phone Appliances, Empowering the Hybrid Workforce」というタイトルの文書で投資家向けに情報を公開しました。これは、ZoomがWEB会議システムだけではなく、職場と自宅での勤務形態をよりスムーズにするための電話機器のサービス提供を開始するという内容です。ZOOMアカウントを利用した集中的な管理を行うことにより、手間を削減したりすることができたりするようになります。ZOOMアカウントを持っていれば、追加のライセンスが必要になったりすることは無いようです。
顧客数も順調に増えていることが資料から読み取れます。一度契約すればZOOMのサービスを解約することは考えにくいため、今後も安定的に成長をしていくのではないかと考えられます。ただし、新規参入や既存の企業が類似のサービス提供を始めるなど競争が激しくなる可能性については考慮しておく必要はあるかと思います。また、グロース株の一角でもあるため、今後の成長率が鈍化する際や長期金利が上昇し始めた段階で株価が下がる可能性もあるため、企業業績(決算)やアナリストの予測、長期金利の動向(テーパリングの開始など)などを注視していく必要があります。企業業績が悪ければ売りの材料となることが想像できますし、アナリストが今後の予想をネガティブに見れば目標株価の切り下げなどにつながりますし、長期金利は株価算定時の割引率に関わるものなので、上昇すれば売りの理由となります。
以下は、Zoom Video Communications, Inc.の投資家向け資料のページのリンクです。英語のページとなっておりますが、日本の証券会社などでも情報提供はしていると思いますので、そちらもご確認ください。
Zoom Video Communications, Inc.を取り上げた弊社のコラムです。会社の概要などを簡単に説明しておりますので、併せてご覧いただければと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。