NEWS

世界経済 海外企業編 Uipath, Inc.

世界経済 海外企業編 Uipath, Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は、Uipath, Inc.について取り上げたいと思います。この企業は、ニューヨークのNASDAQに2021年4月21日に上場したばかりの企業です。


Uipathは(「ユーアイパス」と読みます。ティッカー:PATH)はRPA(Robotic Process Automationの略です)という単純で反復的な作業を人間の代わりに行ってくれるロボットのようなものを提供する会社です(実際はロボットではなくシステムを提供する会社です)。種類が多くても一定のパターンがあるものであれば、RPAを使って事務作業を効率的に行わせることが可能です。そして、例外的なものや最終の確認だけを人間の手で行うことによって、人が行う作業や人為的なミスを減らし、作業の効率化を図ることができます。UipathはこのようなRPAのシステムを販売している企業です。


Uipathは、ルーマニア出身の起業家のDaniel Dines氏とMarius Tîrcă氏の両氏が2005年にルーマニアのブカレスト(ルーマニアの首都です)で起業した企業です。今では本拠地をニューヨークに移し、ロンドンやパリ、シンガポールや東京にオフィスを構える世界的な企業となっています。また、RPA分野での世界シェアはナンバー1となっており、三井住友銀行のような日本の大企業でも導入している企業があります。外国企業が同社のサービスを利用している例として、クラウドストライク(CrowdStrike)やアドビ(Adobe)があります。RPAは通常多くの場合において、RPAの開発に社員に一定程度の知識が要求され、導入時の負荷が高いために導入を見送る企業もあることころを、Uipathのシステムの強みは、使い勝手がよく、専門的な知識がなくても導入できるように設計をされているところにあります。


S-1の中で売上高などの情報も開示されています。Uipathは1月決算で、2019年1月の決算では約148百万ドルの売り上げを計上し、2020年では336百万ドルの売り上げを、2021年では607百万ドルの売り上げを計上しています。純損失としては、2019年では約262百万ドル、2020年では520百万ドル、2021年では92百万ドルを計上する結果となっています。売り上げは毎年大きく上昇をしています。利益に関しては、メンテナンスや研究開発費などがかさみ損失が大きくなっている年もありますが、直近の決算では、赤字の額を大きく減らしています。今後も市場は大きくなる見込みであることやソフトウェアのサブスクリプションサービス(SaaS:Software as a Service)の形態であるため、企業が利用を継続すれば売り上げが安定して上がる仕組みになっています。

※S-1とは、IPOをする企業がSECに対して提出する目論見書のことです。


また、このような企業にとって重大なKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)として、ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収支)が挙げられます。ARRとは、毎年決まって得られる1年間分の収益や売上のことで、既存顧客や新規顧客の動向(解約や契約)が分析できるため、サブスクリプションのビジネスモデルを展開している企業が重視していますので、このようなビジネスモデルの企業はこの数値を開示していることが多いので、もしこのような企業に投資を行う場合には、一度この数値を確認してみるもの良いと思います。


以下のリンクは、Uipathの企業のIRのページです。

https://www.uipath.com/company/investor-relations

以下のリンクは、Form S-1と呼ばれるIPO目論見書です。

https://sec.report/Document/0001193125-21-112457/

上のリンクはどちらも英語の情報となりますが、日本語の企業ホームページもあります。以下にリンクを貼っておきますので、ご興味を持たれ場合は一度ホームページをご覧になられてはいかがでしょうか。

https://www.uipath.com/ja/


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。