政治経済 ESG投資について
こんにちは。
exit.です。
今回はESG投資のインパクトについて考えていきたいと思います。
ESGとは、Environment(環境)、Society(社会)、Governance(ガバナンス:企業統治)の頭文字をとったものです。また、SDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字をとったもので、持続可能な開発目標と訳されます。ESGはSDGsの関係は、SGDsという目的(目標)を達成するための手段という、手段と目標の関係に当たると考えてもらうとわかりやすいと思います。
今までの投資はリターンとリスクという2つの軸で評価や投資判断をしてきたものが、もしかするとリターン、リスクとサステナビリティ(持続可能性)の3つの軸での企業評価に変わっていくかもしれません。リターンとリスクはその大きさに焦点が当たりがちになりますが、サステナビリティは数字の大きさ(利益の金額など)というよりも、その質(環境に配慮されているか、社会にポジティブな影響を与えるのかなど)を投資判断に組み込んでいくことが主流になることがあるかもしれません。欧州では、環境に配慮した事業に充当するための資金を調達するために発行されるグリーンボンドと呼ばれる債券の発行が増えてきており、アメリカでも増加傾向にありますが、日本ではまだ少数の発行に留まっていましたが、2020年にはグリーンボンドの発行件数では77件、金額にして約1兆円となっています(同年1位のアメリカは金額では511億ドル、2位のドイツでは402億ドル、3位のフランスは321億ドルとなっています)。
ESGに関する政府や私たち投資家の行動についても考えていきたいと思います。中央政府は財政政策を通じて環境や社会に配慮した製品・サービスへの補助金や、そうした技術を持つ企業への優遇措置などを取ることができます。一方、中央銀行はそのような政策をとることは難しいとみられています。中央銀行の金融政策の役割には、物価・金融システム・雇用の安定させることが目標となるため、ESGを金融政策の目標として組み込むべきなのかという議論があるためです。また、機関投資家もそうですが、私たち個人投資家も投資を行う際にはESGについて考える必要があります。インデックス投資についても企業にESGの観点から影響を与えることが求められる風潮になってきています。運用会社などがESGインデックスファンドやESGアクティブファンドなどを設計して、投資家に提供をするようになってきています。投資家としてもESGが無視できない要素になってきています。また、コロナ下で、ESGのS(社会)の要素が強い企業の株式の下落率が小さかったという結果も出ています。
企業においても積極的にESGに関する投資家へのアピールを行う必要性が出てきています。日本の企業においても統合報告書(統合レポート)などで、財務情報のような定性情報だけではなく、環境技術などのような特殊な技術を持っていることのような自社の強みのような定量情報の開示も行う企業が増えてきました。企業の積極的な情報開示や技術・商品開発が今後ますます重要になってきます。今までは日本の企業は、どちらかと言えば積極的にこのような定量情報を開示することは少なかったり、ESGのGに弱みを持つ企業が多かったりするために、株主などのステークホルダー(特に海外)に対して積極的に広告やアピールをしてこなかったように見受けられます。日本の株式市場の更なる発展のためには積極的な刻々を含めたアピールがさらに必要になってくると思います。
非財務情報についての意義や重要性については以前の弊社のコラムで取り上げております。以下のリンクから、お読みいただければと思います。
また、SDGsについては2回に分けて解説をしていますので、ご参考までに。
SDGs編の第1回目のコラム
SDGs編の第2回目のコラム
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。