NEWS

世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc.

世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は、2021年3月11日に決算発表を行ったDocuSign, Inc. (以下、ドキュサイン)について取り上げたいと思います。


ドキュサインはアメリカのサンフランシスコに本社がある2003年に設立された企業です。契約書面への電子署名サービスなどを提供している企業で、契約書のペーパーレス化を進めている企業です。今までは契約書をプリントアウトして、契約書にサイン(もしくは押印)をして、契約書を郵送して、相手にもサイン(もしくは押印)をしてもらって一部郵送にて返信をしてもらう、という流れでした。これがドキュサインのサービスを利用すれば電子署名で済むようになり、書類の郵送のコストや時間を削減できます。また、電子署名だけではなく契約書の管理も行えるので、ファイリングなどの管理の手間も減らすことができます。新型コロナウイルスが書類などの表面でも生存することが確認されるなど、衛生面を考慮して使用されている面もあったかと思います。ただし、こちらもズームと同様に新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが治まってもオンライン化の流れやペーパーレス化の流れには大きな変更はないと思います。日本の企業の提携という面に目を移しますと、富士ゼロックスとグローバルパートナーシップを締結し、NECは電子署名導入支援サービスを提供開始することを発表しました。日本でも今後は契約書のペーパーレス化が進むのではないかと思います。また、ドキュサインはNASDAQに2018年4月27日に上場しています。


ドキュサインは2021年3月11日に決算発表を行いました。2020年1月と比較して、2021年1月締めの決算では、売上高が974百万ドルから1,453百万ドルと1.5倍近い売上高の成長を記録しました。売上高にはサブスクリプション(継続課金)によるものとその他サービスによるものに分けられます。それぞれの内訳に関して、2020年と2021年を比較すると、918百万ドルから1,381百万ドル、55.5百万ドルから71.65百万ドルになっており、メインの事業である電子署名のサブスクリプションサービスの売り上げの伸びが大きいことが分かります。また、1株当たりの利益でみると、-1.18ドルから-1.31ドルになっています。これは33.7百万ドルの債務償還損(Loss on extinguishment of debt)による影響のためです。貸借対照表を見ますと、流動比率は100%を超えていますが、自己資本比率は14%ほどあまり高くはありません。営業活動に係るキャッシュフローは297百万ドルのプラスで、営業活動に係るキャッシュフローから投資活動に係るキャッシュフローを引いたフリーキャッシュフローもプラスになっています。2022年の売上高の予測としては、1,963百万ドルから1,973百万ドルとしていますので、35%~36%ほどの成長を見込んでいることになります。売上高の約80%がアメリカで、残りの20%がヨーロッパや日本などの国や地域になりますが、ほかの国や地域へのさらなる拡大も見込まれています。ドキュサインもグロース株への投資として考えられますので、決算内容だけではなく今後の金利の動向などにも注意を払う必要があります。


ドキュサインの決算関係の情報は以下のリンクより確認いただけます。日本語での情報提供はありませんが、証券会社では決算内容や将来の見込み等の確認はできます。

https://investor.docusign.com/investors/home/default.aspx


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。