投資の基礎 グロース株式への投資について
こんにちは。
exit.です。
グロース株について取り上げていきたいと思います。
2020年の株式市場では新型コロナウイルス感染症の拡大による株式相場の下落とその後の回復、11月以降のワクチン相場と下落こそありましたが大きく上昇する局面が目立ちました。特に世界各国の金融緩和や財政支出の影響が非常に大きく、またロビンフッドを利用した個人投資家の存在感も非常に目立つ1年となりました。そして株価の上昇の中で非常に目立ったのがTESLAやZOOMのような新興株式であり、特にTESLAはCEOのイーロン・マスク氏の言動やビットコインへの投資などが大きく取り上げられるなど非常に注目度が高く、また株価の上昇もTELSA株は目を見張るものがありました。グロース株式への投資とは、企業の成長性に投資を行うことですので、仮に将来の成長性に疑問符が付くような場合や、予想(予測)された数値をクリアしたことを決算で示すことが出来なければ、投資判断が買いから一気に売りに変わるリスクがあります。バリュー株への投資とは基準が異なることから、バリュー株と同じような投資戦略は取れないと考えています。
グロース株式への投資について注意する点はいくつかあるのですが、その中でも金利(特に長期金利)には注意を払う必要があります。金利(長期国債の利回り)が上昇した場合には、大幅に株価の値崩れを起こす可能性が高まるためです。理論株価を考える際には利益やフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー)を利用するモデルがあります。その中で、将来に生み出す利益やキャッシュを現在価値(将来の100万円が今現在の価値にすると何円になるのか)に割り戻す(将来の100万円が今現在の価値にすると何円になるのかに換算すること)際に、割引率(例えば将来の105万円が現在の100万円と同じ価値なら割引率は5%となる)と呼ばれるものを使用します。その割引率の中に、金利(長期国債の利回り)を組み込んでいることが多いため、金利の上昇が割引率の上昇につながり、割引率の上昇が理論株価の低下につながるため、金利に注意が必要となるとされています。
また、グロース株の企業の決算についても内容を確認・把握しておくべきです。売上や利益(EPS:1株当たり利益)、コンセンサス(市場予測:企業の決算の数値の予測)をクリアしておくことが必要となります。企業の成長性に投資をするということは、売上高を伸ばして、市場シェアを獲得していく段階と、市場シェアをある程度獲得して利益を上げてキャッシュを生み出していく段階とに分かれています。決算を確認して売上高の伸びや利益についてみていくことは、その2つの段階の内容について確認ができるものになります。そして、市場予測を上回るということは企業の成長が市場の予測よりも早いと考えられるため株価にとってプラスの影響を与えます。4半期ごとの決算はグロース株にとって非常に重要なものとなります。
金利と決算はグロース株、特に、ハイパーグロース株と呼ばれる超割高に評価されている企業の株式にとってとても大切になります。金利(債券利回り)の上昇局面や4半期ごとの決算をクリアできなかった(目標未達など)場合には、割高となっている株価を支えられない可能性が一気に高まるためです。バリュー株においても金利や決算(特に利益を出していること)は大切ですが、グロース株の場合とは注意するポイントが変わってきます。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。