投資の基礎 海外企業株式への投資について
こんにちは。
exit.です。
今回は外国株式への投資について取り上げたいと思います。
皆さまの中には、日本国内の株式だけではなく海外企業の株式にも投資をされている方がいらっしゃるかもしれません。日本の国内企業への株式投資とは違い、海外株式への投資では、外貨での決済(米国企業株への投資なら米ドルでの決済)になるため、為替レートや為替リスクに注意を払う方は多いかと思います。円建てに直したときの取得価格や買い付けに係る費用が為替レートによって変わってくるためです。海外企業株式への投資は為替レートが影響してくることが分かりやすいのですが、日本の企業の株式への投資の場合はどうでしょうか。
日本企業の株式への投資であれば、外国為替レートは関係がないように見えるかもしれませんが、日本の企業であっても、海外進出を積極的に行っている企業もあります。そのような企業の場合は、円安や円高のような為替レートによる影響を受けています。為替差損益による影響は財務諸表に出てくる上に、その企業の将来的な見通しにも影響を与えてしまいます。そして、株価はそのような為替の変動や影響も受けて形成されていきます(長期的には業績によって株価が形成されると考えられます)。そのため、日本企業への投資は為替レートの影響を間接的に受けていると考えることができます。結局は、為替レートによる影響やリスクを間接的にとることになる日本企業への投資、為替レートによる影響やリスクを直接的にとることになる海外企業への投資、というように考えることができるのではないかと思います。
このように考えると日本企業株式への投資も、外国企業株式への投資も、間接的もしくは直接的に為替リスクを負っているということになるのですが、他に着目すべきは情報の取得のしやすさや馴染みやすさにもあるように思います。日本企業への投資の場合は、製品やサービスが身近にあったり、テレビをつければコマーシャルをやっていたり、日本語での情報へのアクセスが行いやすかったりしますが、海外企業の場合は、身近にある製品やサービスもありますが、IR関連のページが英語であったりするために、情報が入手しにくい側面があります。日本語で外国企業の紹介や企業の財務内容等を紹介しているサービスやサイトもありますが、なかなか検索で必要な情報が見つかりにくいということもあるかと思います。そのような日本企業に関する情報の入手しやすさと海外企業に関する情報の入手のしやすさの間に格差があることが、リスクとして意識されている側面もあるように思います。また、日本の株式市場が動いている時間帯と海外の株式市場が動いている時間帯には時差が当然ありますので、そのことも外国企業への投資が行いにくいと感じる要因の1つになっているように感じます。その場合は、成行注文ではなく、指値注文とすることで思わぬ高値で買い付けてしまうリスクは防げます。ただし、価格が上昇した場合には買えなかったということも指値注文では起こりえますので、そのことには注意が必要となります。
日本企業への投資でも海外企業への投資であっても為替リスクは負うことになりますので、新興国企業の株式投資でなければ、過度に恐れる必要はないと考えます。それ以上に、言語の問題による必要な情報へのアクセスのしにくさ、時差による取引時間の違い(突発的な事象に対応ができない、もしくはしにくい)などの方がリスクを考えた際に注意を必要とするものです。投資全般に言えますが、何がリスクなのかわからない状態が一番のリスクと言われます。海外企業への個別株式への投資で不安に思うのであれば、下手に投資を行うよりも投資信託や上場投資信託(ETF)などを選択するほうが無難だと考えます。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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