海外ニュース編 アメリカ大統領候補者によるテレビ第1回討論会
こんにちは。
exit.です。
今回は、特別レポートとして、アメリカの大統領選挙に関する話題をお届けいたします。
アメリカの大統領候補者によるテレビ討論会が日本時間2020年9月30日(水)の午前10時ごろから開始され、コロナウイルスや経済対策、地球温暖化などをテーマにした討論が行われました。討論されたテーマと両氏の主張を簡単にまとめていきたいと思います。
①コロナウイルス対応
Trump氏は、「Biden氏は経済のシャットダウンを望んでいるが、自分はそれを望んでいない、オープンに経済活動を再開していく」と主張し、Biden氏は、「Trump氏は習近平氏をほめていた時期もあり、初動でのミスが多くあり、それがなければ助かった命が多くあった」と主張し、コロナに関しては人種問題にも踏み込んでいました。
所感:経済活動をオープンにして、シャットダウンを行わない、というTrump氏の主張は一定の支持を集めることができると考えます。しかし、Trump氏の初動のミスや人種問題への対応をBiden氏はうまくついており、Biden氏側はここが突破口になると考えているように見受けられます。
②BLMに関するデモへの対応
Trump氏は、「暴動の多くは民主党が知事となっている州で起こっている。法と秩序を守ることは大切だ」との趣旨の主張であり、Biden氏は「暴力を伴うデモについては支持をせず、平和的なデモについては支持をする。法と秩序と正義が大切であり、警察の改革が必要だ」との主張を行いました。
所感:Trump氏によるBLMへの対応に関しては、多くの著名人やメディアが反対の姿勢を取り、Biden氏を支持する側に回っているので、この問題もTrump氏への攻撃材料となっているのは間違いがないところだと考えます。Trump氏としては強気な姿勢を崩さないことで、保守層のさらなる取り込みや支持の確保に動く戦略であり、Biden氏は支持層を切り崩すというよりも中間層や自身の支持の拡大戦略をとっているように見えます。
③環境問題
Trump氏は、「パリ協定は批判したが、地球温暖化は事実であることを認め、山火事を防ぐための森林管理を徹底的に行う。ただし、環境対策にかける100兆円もの予算(Biden氏がかけると主張している予算)はない」と主張し、Biden氏は、「電気自動車用の充電ステーションを拡充する。また環境対策にお金をかければそれが雇用を生むことになる」と主張しています。
所感:パリ協定を批判しながら、地球温暖化が事実であることを認めて環境対策を独自で行うという姿勢については理解を求めるのは厳しいように思える。Biden氏の政策の方が雇用や環境対策などがうまく結びついている印象を受ける。
④郵便投票について
Trump氏は郵便投票に批判的なスタンスを一貫しており、また最後に司会者による結果が決まらないうちへの勝利宣言を行わない旨への回答も保留しています。Biden氏は郵便投票に賛成の立場を取り、最後の司会者による質問に対しても勝利宣言を結果が決まらないうちには行わないということを約束しました。
所感:Biden氏は穏やかに、自分の支持者やテレビ討論を見ている視聴者に対して、必ず投票を行うことを呼び掛けるなどしていましたが、Trump氏にはそのように呼びかけるような姿勢はあまり見られませんでした。これは、Trump氏がまるで余裕がないようにも見える姿勢のため、マイナスに作用することになると考えられます。
アメリカ大統領候補によるテレビ討論会は10月15日と10月22日、副大統領候補による討論会は10月7日に行われます(現地の日程です)。
今回のテレビ討論結果ですが、Joe Biden氏が決定的ではないにしてもリードを広げる内容になっているのではないかと考えます。全体的な印象としては、Trump氏が焦っているような印象を与える結果になっているように見えます。対してJoe Biden氏の方は、テレビを見ている視聴者に向けて必ず投票を行うように呼び掛けたりするなどしながら、今回のテレビ討論を穏やかに乗り切った印象です。
次回以降のテレビ討論会でDonald Trump氏が巻き返すのか、Joe Biden氏がこのままリードしていくのかが大統領選挙の結果を左右するかもしれませんので、引き続き注目をしていきたいと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報や興味を持っていただけるような情報を発信していきたいと思います。