海外ニュース編 S&P500は年末に向けて上昇していくのか
こんにちは。
exit.です。
今回は海外のニュースの記事を参照しながら今後の株式の動向について考えていきたいと思います。参照する記事は、2020年8月17日付のBloombergの「Goldman Boosts S&P 500 Target by 20% as Strategists Catch Up」です。
ゴールドマンサックスは3月の底値からの反発のために、ストラテジストの予想が大きく外れたため、S&P500の年末の価格を上回る予測を出しました。
David Kostin氏はEd Yardeniy氏やLori Calvasina氏と同様にS&P500の予測を3000から3600へと引き上げました。この情報は投資家の間に驚きをもたらし、3月の底値から51％上昇し3372.82となり、2月の決算期の記録を超えるとしています。Kostin氏はコロナウイルスに対するワクチンのニュースがポジティブなニュースの鍵となっていると述べています。
Kostin氏はまた、ここ数カ月で実証されたことは、株価は将来の予測収益だけではなく、将来の予測収益を現在価値に割り引くためのレートにも依存している、と記しています。将来的には、株式リスクプレミアムの低下が債券利回りの上昇を上回り、コンセンサスを上回るEPS予測と合わせて、S＆P 500インデックスを年末までに3,600に引き上げます、としています。
3月のパンデミックによって底を打って以来のS＆P 500の急上昇は、大規模な経済刺激策により促進されました。この大幅な上昇は、予想を上回った経済と企業の収益のデータやワクチンに関する楽観主義によって支えられています。
Kostin氏は、COVID-19による損失の結果を集計するのは困難なため、米国の大統領選挙は依然として大きなリスクではあるが、最大のリスクはワクチン接種のタイミングとパンデミックからの回復の道である、と述べています。
Mislav Matejka氏が率いるJPモルガンのストラテジストはまた、米国株への選好を繰り返し、強い利益と今後の米国の選挙リスクにもかかわらず強気を維持するよう顧客に告げています。
アナリストは、米国のセクター別のグロース株とディフェンシブ株へのエクスポージャーが他の先進国市場を上回るのに役立ち、アメリカの利益成長がヨーロッパの利益成長を上回る可能性が高いと述べています。
※用語説明
エクスポージャー＝投資家や企業が持つ金融資産（ポートフォリオ）の中で、市場の価格変動のリスクにさらされている資産の度合い（割合）のこと。（みずほ総合研究所より）
ESP（Earnings Per Share:1株当たり利益）＝「当期純利益発行済株式数」で、企業の収益性を測る指標です。1株当たり配当と1株当たり利益を利用すると配当性向もわかります。
最近では、日本の証券会社でもアップサイドリスクという言葉をよく使っているように感じます。この言葉はもともと金融用語として使われているもので、利益が発生する可能性のことを意味します。証券会社がこのリスクを意識しているということは、自分たちの想定しているラインよりも株価が高値を付けていく可能性の方が高いのではないかと考えているということを意味します。確かに株価を見ると2020年3月（月間）で底を打って以降、大幅な財政支出策や金融緩和政策によって上昇基調となっています。日本の株式市場を見ると日経平均は年初来の高値の更新はしていませんが、アメリカの市場は記事にもあるように高値（史上最高値）を記録しています。ただし、アメリカの大統領選挙や米中の対立、新興国のデフォルトの可能性が高まっていることなど、リスク要因がありますので、一概に現在の相場に対して強気を継続しにくい状況ではあるかと思います。しかし、強気の意見が証券会社をはじめとした機関投資家から出てきている以上、投資しないことのリスクもまた意識をしなければならないのではないかと考えています。また、特に将来的なインフレ圧力が高まっている現状も見逃せないものとなってきているように思います。
以下が今回参照しました記事のリンクです。長い記事ではありませんので、興味のある方はご覧ください（購読をしない場合には、1か月に閲覧できる記事の数に制限がありますので、ご注意ください）。ただし、所感としては、やや専門的な内容が多く、一部の専門用語を解説はしましたが、人によっては理解しにくいと感じる個所もあるかもしれません。弊社では、投資に関する知識の基礎知識を深めるコラムも引き続き書いていきたいと思います。
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