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政治経済 経済学編 行動経済学 第3回目

政治経済 経済学編 行動経済学 第3回目

こんにちは。

exit.です。

今回は行動経済学の第3回目です。


前半は行動経済学のヒューリスティックを主に解説していきながら、後半は行動経済学を用いて投資について少し考えてみたいと思います。


まず、ヒューリスティックとは、正確な情報が得られない場合において、論理的なプロセスを経ずに、自分の経験や直感に基づいて意思決定を行うことです。日常生活を送るうえで、1から10までのすべてを論理的に判断していくのは、時間も労力もかかるために、脳の負担を減らすため、という側面もあります。このヒューリスティックには、主に4つの種類があると言われています。


①利用可能性ヒューリスティック

簡単に手に入る情報や想起しやすい情報を優先的に利用して、判断をしてしまうことです。例えば、A型は几帳面、B型は個性的、O型は大雑把、AB型は二面性がある、のような血液型と性格の関係性は日常生活で良く言われることですが、実際には科学的な根拠は一切ありません。メディアや噂などによりよく触れる情報であるためにこのような認識が広まっていますが、これが代表的な利用可能性ヒューリスティックの一例です。


②代表性ヒューリスティック

一般的に典型的(代表的)であると考えられる事象や情報を基にして判断を行うことです。例えば、コンビニエンスストアと歯科医院(歯科医療機関含む)のどちらのほうが多いかと聞かれた場合、ほとんどの人がコンビニエンスストアと答えると思います。実際には歯科医院のほうが多く、コンビニエンスストアのほうが少ないです(歯科医院70,209(令和2年1月時点SCUEL DATA SERVICEより)に対しコンビニエンスストア55,460(令和2年2月度JFAコンビニエンスストア統計調査月報より))。


③固着性ヒューリスティック

アンカリングとも呼ばれるもので、先に与えられた情報(アンカー)が判断をゆがめたり狭めたりしてしまうことで、参照点依存性(=数値やその価値を絶対評価するのではなく、他と比較して相対評価する傾向のこと)と言われる認知バイアスの一種にも関係をしています。例えば、最初の表示価格が3,000円だった場合と、参考価格5,000円のものが3,000円になった場合、後者のほうにお得感を感じます。これは、最初の5,000円を基準(アンカー)にして、3,000円を安いと認識してしまうことから起こってしまいます。


④感情ヒューリスティック

好きや嫌いといった感情で判断をしてしまうことです。いい人だからこの人が話すことはすべて良いことだ、というような判断をしてしまうことです。詐欺師などがよく自分を良く見せることで、詐欺商材を良く見せて契約させる、という手法をよく使いますが、これも感情ヒューリスティックを利用したものになります。この場合は、自分の感情と逆のことに目を向けることが大切です。良い印象を持った場合は、そのデメリットを見るようにし、悪い印象を持った場合は、そのメリットについて考えるようにする、ということです。


次に、行動経済学をどのように役立てるかについて、2つのパターンを考えていきます。


①株式に投資をしており、投資企業の収益性や財務内容が悪化して下がった場合と企業自体に何ら変化はないものの、相場全体の需給悪化や突発的な事件の影響による場合では異なる判断を求められます。前者の場合は、買った時に比べて明らかに状況が変わっているため、売却する方がよく、後者の場合は、いずれ回復するので焦って売る必要はないと考えるべきです。最初に自分が投資したときの株価を基準に考えてしまうと、売るべきタイミングで売れなくなってしまう可能性があります。


②仮想通貨に投資する場合は、仮想通貨自体に価値の裏付けがないので、価格は需給関係によってのみで決定されます。仮想通貨はそれ自体が何かの価値を生み出すものではないので、その本源的価値はゼロと考えることもできる上に、価格の動きも読めません。では、なぜ価格が上昇を続けるのかというと、FOMO(Fear Of Missing Out:取り残されることへの恐怖心)が関係しています。また、仮想通貨がニュースで取り上げられることもあるため、仮想通貨が人気になると思った人たちが、他の人の動きと同調して動きたいという心理(ハーディング効果と呼ばれます)が働くことで、一斉に買い向かうということが起こったりします。


※ここで、書いたものはあくまでの例ですので、投資を行う際には、ご自身でよく考えたうえで判断する必要があります。


次回は、合理的な意思決定ができるようなステップと行動経済学の関係についてみていきたいと考えています。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。