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政治経済 経済学編 行動経済学を利用した意思決定のポイントについて

政治経済 経済学編 行動経済学を利用した意思決定のポイントについて

こんにちは。

exit.です。


過去のコラムでは行動経済学についてみてきました。ここでは、行動経済学をどのように利用して、少しでも日々の自分の行動を合理的なものにしたり、投資における意思決定の際にリスクを抑えられるようにしたりしていくのかを考えていきたいと思います。


ここでは、日々の行動を合理的な意思決定に導くために注意をするべきポイントを挙げていきます。すべてのポイントを意識して行動するのは、負担があるという場合でも、できるところやこれならできると思う箇所だけでも、意識をしてもらえればと思います。


①非合理性を意識する

以前のコラムで見たようなプロスペクト理論や様々なバイアスの存在を意識して、自分がそのようなバイアスにとらわれていないかを今一度よく考えてみることが大切です。意識して考えられるようになっているということは、冷静になっていることを意味しますので、その段階でさらに考えたうえで、買い物や投資や日々の衝動的にとっている行動を見直すことが、少しでも合理的な行動をとるためには必要になります。


②自分の思いや考え、スタンスをはっきりさせる

例えば、自分の投資のスタンスを考える際に、リスク許容度がどの程度あるのかをはっきりさせておくことが大切です。ローリスク・ローリターンなのか、ハイリスク・ハイリターンなのか、自分のリスク許容度を明確にしておくと、自分のリスク許容度に合わない投資商品を勧められた場合に、しっかりと断る、という判断ができるようになります。目先のリターンだけではなく、長期的なリターンも考えられるようになると、利益額や損をする可能性などを考慮して判断ができるようになっていきます。これは、日々の買い物でも同じだと思います。不必要に高いものを見栄で買ってしまっても、目先は満足感を得られても、長期的にはなぜ買ったのか、となってしまいかねません。


③目的や目標を意識する

投資をする場合は、なぜその投資をするのか、という目的をはっきりさせておくと、不必要にリスクの高い投資を避けることができます。また、貯金額を目標にする場合でも、いつまでに、いくら貯めるのか、を決めないと結局は長続きしません。目的や無理のない目標を決めて、意識をして行動することは、自分の習慣を良い方向に変えるきっかけにもなってくれます。期限を決めた場合は、現在志向バイアスによる先延ばしの行動などにも注意が必要です。


④全体像を繰り返し示す

自分の目標や目的を達成した後の未来を過程とともに、全体が見えるようにされていると、モチベーションにもつながります。ただ、これは一度決めたら終わりではなく、繰り返し意識をしていくことが重要です。そうすることで、行動がずれたときに修正できるきっかけを作ることになります。全体像を意識することで、先延ばしをしないように行動をしていく習慣が身につくことも期待できます。


⑤はっきりと表現できるようにする

目的や目標、全体像をはっきりと自分の中で表現できるものでなければ、目的地がぼやけてしまい、結局何も進んでいない、といったことにもなりかねません。最初に目標や目的などの全体像をはっきりさせておくことで、途中で曖昧になったり、無駄な行動計画を立ててしまったり、といった時間のロスをなくすことにもつながります。また、全体像がはっきりとさせておくことで、余計な選択をしなくても済むことになります。


⑥未来の自分の感情を可視化するようにする

目標や目的を達成した後の自分の感情をメモに書きだすなども、自分の行動を合理化する際に役立ちます。これを頭で行う人もいるかと思いますが、目につくところに書いておくと、視覚に訴えてくるので、意識がさらに向きやすくなりますので、成果も上がりやすくなります。


行動経済学は心理学とも密接に結びついており、私たちの生活にも深く関係しています。マーケティングや危機管理の分野でも利用がされています。コラムで取り上げたものがすべてではありませんので、是非ご自分でも調べてみて日常生活や投資の意思決定、大きな(金額の)買い物をする際に、参考にしてもらえればと思っています。行動経済学については、折に触れてコラムで今後も取り上げていこうとは考えています。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。