投資の基礎 債券投資 第4回目
こんにちは。
exit.です。
今回は債券投資についての最終回としまして、債券投資に関わるポートフォリオの戦略についてご紹介して、債券投資のまとめを簡単に行いたいと思います。
①ラダー型ポートフォリオ
1年後に償還される債券に100万円、2年後に償還される債券に100万円、3年後に償還される債券100万円・・・10年後に償還される債券に100万円を投資する、というように償還までの期間が異なる債券に等金額に投資を行うタイプです。
このタイプのポートフォリオは、金利変動リスクを分散でき、そして安定的なインカムゲインを狙えるというメリットを持っているのですがが、その反面、柔軟性に欠けるポートフォリオを組む戦略であり、金利変動を予測できても積極的に収益(キャピタルゲイン)を狙いにくいというデメリットがあります。
※ラダー型と呼ばれる所以は、償還までの期間と投資金額をグラフ(表)にした場合に、はしご(ラダー)のように見えるためです。
②バーベル(もしくは、ダンベル)型ポートフォリオ
短期間(償還までの期間が1年や2年のものなど)で償還される債券と償還までの期間が長い債券(償還までの期間が9年や10年のものなど)の償還までの期間が離れた債券に集中して投資を行うタイプです。
このタイプのポートフォリオは、短期債券のもつ流動性と長期債券のもつ収益性(金利変動による価格の変動が長期債券のほうが大きくなるためです)の両方を持っていますが、定期的なリバランスが必要となるためコストが高くなりがちというデメリットがあります。
※バーベル型と呼ばれる所以は、償還までの期間が長短極端な債券のポートフォリオになるため、グラフ(表)にした場合に、バーベル(ダンベル)のように見えるためです。
③ブレット型ポートフォリオ
特定の期間に償還される債券に集中的に投資を行う(例えば、償還までの期間が4年と5年と6年の債券に集中的に投資を行う)タイプです。
このタイプのポートフォリオは、金利状況によってはラダー型よりも収益性を高めることができ、バーベル型よりもコストが低く運用ができるのですが、特定の償還期間の債券に集中投資を行っているため金利変動のリスクの分散ができにくいというデメリットがあります。
※ブレット型と呼ばれる所以は、特定の償還期間の債券に集中的に投資を行うため、グラフ(表)にした際に、銃弾(ブレット)のように丸みを帯びた形になるためです(個人的には少し無理があるような気はしていますが)。
個人で債券投資を行う場合には、債券の直物を買うかもしくは債券に投資を行うファンドを買うかの大きく2択になるかと思います(個人で債券投資を行っている人でこれらのポートフォリオ戦略をとっている人はなかなかいないと思います)。今回紹介したことを、債券ファンドを買う際に参考していただければと思います。
覚えておいていただきたいことは、債券投資は比較的低リスクだと言われますが、それでも信用リスクをはじめとしたリスクが存在しています。ただ、安定的に利息(クーポン)が受け取れる投資でもありますので、フローを生み出す投資としては一定の人気があります。また、償還までの期間が短い債券は流動性に優れ、償還までの期間が長い債券は、金利変動の影響を大きく受けるため、金利が下がれば債券価格は短期債券よりも価格は大きく上がります。金利が上昇すれば逆の結果になりますので、債券を積極的に売買するような場合には将来的な金利変動を予測する必要もあります。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきますので、宜しくお願い致します。
※本コラムは情報の提供を目的としております。投資はくれぐれも自己責任にてお願い致します。