投資の基礎 債券投資編 第2回目
こんにちは。
exit.です。
今回も、前回から引き続き債券投資の基本についてご紹介していきます。
取り上げていくものは、金利の種類と金利と債券価格の関係などです。
金利の種類
①固定金利と変動金利
固定金利:金利が満期まで変わりません。金利上昇局面では借り手が有利となり貸し手は不利となります。金利下降局面ではその逆に借り手が不利になり、貸し手が有利になります。
変動金利:金利の変動に合わせて金利が変動します。金利上昇局面では借り手が不利で貸し手は有利となります。金利下降局面ではその逆に借り手が有利で貸し手が不利になります。
②実効金利と表面金利
実効金利=(支払利息-預金利息)/(借入金-拘束預金)
金融機関から借り入れを行う際に拘束性預金をさせられた場合、借り手が実際に負担する実質的な金利。表面金利に比べて借入金利よりも預金金利のほうが低いため高くなる。
表面利率(利率もしくはクーポンレートとも呼ばれます)とは、利付債について半年ごとに支払われる利子の利率のことです。額面金額100万円に対してりそくが1万円支払われる場合の、表面利率は1%となります。
※利付債の利息の支払いは半年ごととなっている債券が多いですが、半年ごとではなく1年に一回の利払いの債券や四半期ごとの債券などもあります。
③実質金利と名目金利
実質金利とは金利を物価上昇率(インフレ率)との関係から見たものです。そして、名目金利とは、一般的に金利と言われているもので、例えば、「1年ものの定期預金で1%の金利が付きます」というものがこれに該当します。
また、実質金利と名目金利、物価上昇率は以下の式で関係性を表すことができます。
実質金利=名目金利-物価上昇率(インフレ率)
この式は、アメリカの経済学者のアーヴィング・フィッシャー氏が定式化したことから「フィッシャー方程式」と呼ばれています。
※日本では、名目金利は限りなくゼロに近い状態になっていますが、インフレ率は1%前後となっているため、実質金利はマイナスになっていると推測されます。実質金利がプラスの場合は投資が有利(現金がインフレで目減りするため)となり、マイナスの場合は貯蓄が有利(現金の価値がデフレによって上げるため)となります。
日本のインフレ率や実質GDP成長率を以下のリンクより確認することができます(IMFのページです)。
https://www.imf.org/en/Countries/JPN#countrydata
マイナス金利政策とゼロ金利政策
マイナス金利政策とは、民間銀行が日本銀行に預けているお金(日本銀行当座預金)に対してマイナス金利を適用する政策です。この金利は銀行にとってはコストになります。マイナス金利を適用することで、企業への銀行からの貸し出しを促進することを狙いとしています。
ゼロ金利政策とは、日本銀行が金融緩和を目的に量的緩和政策を行い、無担保コールレート翌日物(オーバーナイト物)の金利を(限りなく)ゼロにする政策です。資金の流れを活発化させることを狙いとしています。
※コール市場とは金融機関同士が短期の資金を融通しあう市場(インターバンク市場)を構成する市場の一つです。
金利と債券価格の関係
金利が上昇すると既発の債券への投資の魅力は薄れるため債券価格は下落し、逆に金利が下落すると既発の債券への投資の魅力が高まり債券価格は上昇します。
また、償還まで期間のある債券は金利変動の影響を大きく受けますので、金利がどのように変動する可能性があるかを考えたうえで投資を行う必要があります。
確認すべきポイントとしては、格付の利用が挙げられます。格付けが悪ければデフォルトの可能性が高いことを示します。また、金利が高いということはその国の景気が過熱しているか、信用が低いことを示しています。
イールドカーブ
横軸に残存期間、縦軸に利回りを取り、残存期間が異なる複数の債券の残存期間と利回りの関係を表した曲線のことです。基本的には、期間が長ければ長いほど利回りは高くなります(順イールドカーブと呼ばれます)。
次回は、各種利回りの計算と仕組債(Structured Bonds)の仕組みを簡単にまとめていきたいと思います。
※本コラムは情報の提供を目的としております。投資はくれぐれも自己責任にてお願い致します。