NEWS

政治経済 ジャクソンホール会議の内容と国会閉会中審査での植田総裁の発言について

政治経済 ジャクソンホール会議の内容と国会閉会中審査での植田総裁の発言について

こんにちは。

exit.です。

今回は2024年8月22日~24日にかけて開かれたジャクソンホール会議でのジェローム・パウエル議長のスピーチの内容と、植田総裁の閉会中審査出席による欠席について取り上げたいと思います。


パウエル議長のスピーチの内容を簡潔にまとめます。スピーチの最初では、新型コロナウイルス感染症による経済状況の最悪期は脱し、インフレ率も大幅に下がり、労働市場も過熱感もなくなっており、供給制約についても正常化している。中央銀行の目標としては、堅調な労働市場を維持しながら物価の安定を図ることであるとしています(一時期は景気を犠牲にしてもインフレ率を下げるとていました)。政策の短期的な見通しとして、過去3年のインフレと労働市場は逼迫した状況でした。高インフレは低所得者にとって非常に多くのストレスを与え、不公平感をもたらすものだった。4.3%の失業率は歴史的に見ればまだ低い水準ではあるが、その大部分は過去6か月間でもたらされたものではあるものの、景気の悪化というよりも労働供給の大幅な増加と雇用ペースの減速に起因するものである。しかし、中央銀行としては労働市場のさらなる冷え込みは求めてはいない。経済は堅調なペースで成長しており、インフレの上振れのリスクは減ってきており、政策の調整を行う時期が来ています。利下げのタイミングとペースは、データとリスクのバランス次第としています。最後は、パンデミック化の経済政策については特異な点がたくさんあり学ぶことも多くあったが、それらを教訓として現状の課題に柔軟に対応していくことに焦点を当てた疑問を持つことが必要と締めくくっています。


FRBはいよいよ金利の引き下げを行おうとしています。利下げの回数の予測についてはまちまちとなっています。データ次第では利下げの幅は大きくなる可能性がありますが、その場合は景気の悪化による株安円高になる可能性を見ておくことはリスク管理を行ううえで大切な視点だと思います。FRBには金利を引き下げる余地が大きくありますが、日本の場合は利下げの余地がほぼ無いため、金利を引き上げることが出来るときに引き上げておくことで、不景気に対する備えをしておくことが必要だとも考えらえます。


植田日銀総裁は、ジャクソンホール会議を欠席し、8月23日の国会閉会中審査に出席しました。今回の欠席に関して、国益を失うことになるのではないかとの意見も出ています。ジャクソンホール会議には世界の中央銀行のトップが出席し、今後の金融政策や経済の見通しなどについて議論を交わす場となっていますので、ここで意見交換をして、他国の中銀行との協調や相互理解を得ながら、日本の今後の金融政策を実行に移すことが国益に資することであるとの意見が多く見受けられています。日本は、多くの国々とは反対に今後金融引き締めに動く算段であることから、金融緩和に政策を変えていく国々には事前に話をしておく方がよかったと筆者も考えています。


植田総裁が8月23日に語った内容についても簡単にまとめていきます。まず8月初頭の金融市場の見解についてですが、8月に発表されたアメリカの雇用統計が予想を下振れサームルールが転倒したことで景気に関する悲観論が拡大したことおよび日銀の利上げの影響を認める内容となっています。利上げついては、過剰な金融緩和により過度なポジションの蓄積を招いており、また物価に関しても目標達成に自信を持てるようになったことによるものであり妥当性があると判断していることがうかがえる内容でした。日銀の財務の健全性については、保有国債に一時的に含み損が出ても、満期まで保有すれば実現損は生じないことや保有国債の満期前売却については考えていないと明言しています。日銀が保有しているETFについての売却などについて現状は方針未定としています。


パウエル議長のスピーチの内容については以下のリンクよりご確認いただくことができます。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/powell20240823a.htm


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。