投資の基礎 金融資産の取り崩しについて
こんにちは。
exit.です。
今回のコラムでは、金融資産(投資している資産)の取り崩しについて取り上げたいと思います。
新NISAが始まり、投資を始めることを促すメディアや情報が目立っていますが、最後の取り崩しについては、あまり取り上げられていないように感じます。資産の取り崩しの方法としては、大きく分けて3つの方法があります。
一つ目は定率解約による取り崩しです。毎月もしくは毎年といった一定の期間の中で、保有している(投資している)金融資産の一定の%を解約・売却していく方法です。定率解約のメリットは、資産寿命を延ばすことができることです。上昇局面では、大きく取り崩すことになりますが、下落局面では取り崩す金額は小さくなります。デメリットとしては、毎年や毎月の取り崩す金額にばらつきが出てしまうため、相場次第では取り崩しの金額が極端に大きくなったり小さくなってしまったりします。そのためこの定率取り崩しでは家計管理が行いにくくなるかもしれません。
二つ目は定額解約による取り崩しです。保有している金融資産の取り崩し額を毎月もしくは毎年、一定の金額に固定する方法です。定額解約のメリットとしては、取り崩す額が毎月・毎年一定金額となるため、家計管理の面から計画を立てやすくなることです。デメリットとしては、上昇局面ではうまく機能しますが、下落局面では保有資産に対する取り崩す率が大きくなるために、相場状況によっては資産寿命が大きく減少してしまうかもしれないことです。
最後の三つめは、定数口数解約です。この方法は、ETFを含めた株式というよりも投資信託を取り崩す際に利用される方法で、保有している投資信託を一定口数ずつ売却することで取り崩すものです。定数口数解約のメリットとしては、取り崩す期間がはっきりとわかかることです。デメリットとしては、売却して取り崩していく口数は一定ですが、投資信託の基準価額は変動しているため、その結果、取り崩す額は一定とはならずに、家計管理の面は不便になる可能性があります。
※ETFでも定数株数を売ることで似たようなことはできます。
どの取り崩し方法が一番良いのかは、各家計や資産額によって異なってきます。資産寿命を一番長くする方法は、定率で取り崩していく方法ですが、相場環境や計画していない支出の発生などによって、取り崩しの額が不十分となってしまう可能性があります。そのためどれか一つの方法に固執してしまうのではなく、例えば、基本的には定率解約を採用するが半年に一度は、決まった金額を売却する定額解約を採用して、家計をやりくりするようにするなどのように、臨機応変に対応していくのも一つだと考えられます。その他の例としては、家計管理上は定額解約が一番わかりやすいのですが、取り崩しすぎた場合には余った資金を再投資する方法も考えられます。
証券会社によっては、定率解約は利用できず、定額解約のみが可能な証券会社もあります。自分が使っている証券会社がどのようなサービスを提供しているのかは、確認をして、自分の老後の資産の取り崩しについてイメージをしておいてもよいかもしれません。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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