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世界経済 海外企業決算編 バークシャーハサウェイ社

世界経済 海外企業決算編 バークシャーハサウェイ社

こんにちは。

exit.です。

今回は、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ社について取り上げたいと思います。


バークシャーハサウェイ社はネブラスカ州のオマハという都市にある会社です。もともとは綿紡績の会社でしたが、1965年にウォーレン・バフェット氏によって買収されてからは、保険業を足場とした投資会社に転換した、という歴史があります。現在は、ウォーレン・バフェット氏が会長兼CEO、チャーリー・マンガー氏が副会長を務めています。


そんなバークシャーハサウェイ社ですが、2019年11月2日(土)第3四半期の決算が発表されました。今回の四半期決算の内容については、同社のホームページ(http://www.berkshirehathaway.com/)からAnnual & Interim Reportsを選択していただき、ご覧になりたい報告書をクリックしていただければ内容を見ることができます。


ここで、まず取り上げたい点は、同社が約1,280億ドルにもおよぶ現金を手元に残していることです。これは、2018年第3四半期の時の1,063億ドルの1.2倍となっています(2018年第3四半期から2019年第3四半期まで一貫して手元現金は増加しています)。一時的な手元現金の減少時期はありますが、2009年の約230億と比べるとおよそ5.5倍となっています。バフェット氏はバリュー株投資(市場で過小評価されている株に投資すること)を好むことで知られています。また、株式市場が現在割安なのか過大評価されているのかを大まかに知る指標として、バフェット指数と呼ばれるものがあります。これは「(企業の時価総額÷国内総生産)×100」(「Stock Market Capitalization/Gross Domestic Product」×100 」)で計算されるもので、この数値が100%よりも大きければ、現在の株式市場は過大評価されている、ということになります。現在のアメリカ(2019年11月10日現在)でのバフェット指数は145.6%(Buffett Indicatorより)となっており、非常に過大評価されているということになります。


そして今回の決算書で、同社の純利益は約520億ドルとなり、世界で最も利益を上げている上場企業となっていることもわかりますBloombergより)。前期と比較して、大きく増加しているのは、投資・デリバティブによる利益/損失(Investment and derivative contract gains (losses))です。これは、同社が買収した北米でも最も大きな鉄道会社の一つBurlington Nothem Santa Fe LLC (BNSF)が貢献しています。


※BNSFは2009年11月3日にバークシャーハサウェイ社に取得(買収)を宣言され、2010年2月12日のBNSFの株主総会で買収に賛成の結果が出て、傘下に収められた会社です。この買収では、バークシャーハサウェイ社が約340億ドルを投資BNSFに投資するという、バークシャーハサウェイ社にとって史上最大規模の投資となっています。


しかし、バークシャーハサウェイ社の株価自体は、積みあがったキャッシュポジションを投資家がネガティブに評価しているとみられ、市場平均をアンダーパフォームしている状態となっています。


ただ、アメリカの株式市場では、バフェット氏の手元現金の増加が、氏が近々大規模な株式市場の調整が起こるとみており、それに備えている、と考える人たちもいます。また、バフェット氏はまた大規模なM&Aを計画しているとも言われていますが、株式市場が過大評価されている現状では、動きづらい状況なのではないかとも考えられます。


(余談ではありますが、海外のプライベートバンクも現金(Cash)に比重を置く傾向もみられているので、投資に関して慎重になっている姿勢が見られます。)


日本も現状では、株式市場が好調な状況となっていますが、万が一に備える意味でも、そして、調整相場をバーゲンハンティング(割安株の取得)として利用するためにも、現金ポジションについて見直してもよいかもしれません。


次回もまた、皆様のお役に立つ情報を提供できればと思います。


※本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではございません。

投資はくれぐれも自己判断にてお願い致します。