世界経済 海外企業編 Nvidia Corporation 第2回
こんにちは。
exit.です。
今回は、2023年8月24日に第2四半期の決算発表を行ったNvidia Corporation(以下、Nvidia)(ティッカー:NVDA)について取り上げたいと思います。
Nvidiaは1993年4月5日に台湾系アメリカ人のジェンスン・フアン(現CEO)とクリス・マラコウスキー(現副社長)らとともに創設された半導体技術を専門とする企業で、本社はカリフォルニア州サンタクララにあります。1999年にNASDAQに上場を果たしています。Nvidiaは主にグラフィックス処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)と呼ばれるコンピュータ内で画像や映像、3Dグラフィックスなどの処理を担当する専用の処理装置であり、元々はコンピュータゲームなどでのグラフィックス処理を高速化するために開発されました。現在では、特にディープラーニングのような高度な計算においても利用されていることで知られています。
Nvidiaの第2四半期の決算ですが、売上高の実績は135億ドルで市場予想の107億ドル、一株当たり利益(EPS)は実績2.70ドルでも市場予想の1.91ドルと、売上高も一株当たり利益も市場予想を大きく上回る実績となりました。第3四半期の見通し(ガイダンス)についても、157億ドル~163億ドルで市場の見通しである116億ドルを大きく上回っています。決算の内容を見ますと、売上総利益が前期比(第1四半期)の66.8から71.2へと利益率が上がっています。さらに、前年の第2四半期は売上総利益率が45.9だったことを考えると1.5倍以上の利益率となっています。一株当たり利益も前年同期比で400%以上の伸びを示しており、非常に強い決算であったことがわかります。貸借対照表を見ると自己資本比率は50%を超えており、流動比率(流動資産÷流動負債)が250%、在庫を流動資産から控除した当座比率(当座資産÷流動負債)でみても200%を超える財務状況となっており非常に安定している企業とみることができそうです。最後に、キャッシュフロー計算書の内容を簡単に見ておきますと、営業活動に係るキャッシュフローは63億ドルで、投資活動に係るキャッシュフローは証券投資を除くと5億ドル程度となり、フリーキャッシュフローとしては58億ドルのプラスとなっています。自社株買いや配当金支払い及び借入金の返済を考慮してもプラスの数値(7億ドル程度)となるので、キャッシュフローを見ても非常に良好であることがわかります。
※セグメントとしては、データセンター、ゲーミング、プロフェッショナル・ビジュアライゼーション(グラフィックス)、自動車、OEMの5つがあります。
Nvidiaの決算内容としては、売上高、一株当たり利益、ガイダンスのすべてで市場予想を大きく上回る結果となっており、AIブームが継続することを感じさせる内容となっています。AIに関連したスタートアップ企業からの受注(ChatGPTのようなものだけではなく、Stable Diffusionのような画像・イラストに関するものも含めて)が増えていることも影響していると思われます。ライバルとなる企業も少なく(一部の半導体企業がライバル企業として挙げられているようですが、Nvidiaの後追いに留まっている印象です)好調なAI関連の投資や今後の自動運転に関する技術への貢献、Metaverseの拡大などの恩恵を受けていくことになりそうです。リスクとしては、アメリカと中国の政治的な緊張関係が企業業績のネックとなる可能性はあると思われます。
以下はNvidiaのIRページへのリンクです。
https://investor.nvidia.com/home/default.aspx
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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