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世界経済 海外企業編 Adobe Inc.

世界経済 海外企業編 Adobe Inc.

こんにちは。

exit.です。

今回は、2023年月6日15に第2四半期の決算を発表したAdobe Inc.(以下アドビ)(ティッカー:ADBE)について取り上げたいと思います。


アドビは1982年12月にデラウェア州で設立され、カリフォルニア州のサンノゼに本社を構えるソフトウェア企業で、クリエイティブ・デザイン、ビデオ編集ツール、AcrobatPDFなどで世界首位のシェアを握っています。創業者はチャールズ・ゲシキ氏とジョン・ワーノック氏ですが、現在の会長兼社長はシャンタヌ・ナラヤン氏(2007年~)が務めています。上場は1986年ですが、1983年にはアップルから出資を受けています(1982年、当時のCEOスティーブ・ジョブズ氏はアドビの買収を目論みましたが、拒否されたため出資の形をとることになりました)。


アドビの第2四半期の決算ですが、売上高の実績は48.2億ドルで市場予測の38.9億ドルを上回りました。一株当たり利益(EPS)は3.91ドルでこちらも市場予測の3.79ドルを上回りました。第3四半期のガイダンスの売上高は48.3億ドル~48.7億ドルとしており、市場予測の48.6億ドルとほぼ同じくらいになっていますが、EPSは3.95ドル~4.00ドルとしており、こちらは市場予測である3.89ドルを上回りました。通年のガイダンスは、売上高192.5億ドル~193.5億ドルとしており、市場予測である193億ドルとほぼ同程度、EPSは15.65ドル~15.75ドルで、市場予測の15.5ドルは上回りました。


アドビの決算の内容ですが、売上高48.2億ドルのうちの45.2億ドルはサブスクリプションによる売り上げとなっています。セグメント別ではデジタルメディア(Illustratorやクラウドサービスなど)で35.1億ドル、デジタル・エクスペリエンスで12.2億ドル、デジタル・エクスペリエンスのサブスクリプションで10.7億ドルとなっています。キャッシュフローを見てみますと、営業活動に係るキャッシュフローは21.4億ドルであり、投資活動に係るキャッシュフローの1.2億ドルとの差額である、フリーキャッシュフローは20億ドルを超えています。また、財務活動に係るキャッシュフローを見てみますと、第2四半期に自己株買いを10億ドル行っていることがわかります。貸借対照表を見ても現金預金で54.5億ドルあるため、豊富な現金を保有しており、流動比率(流動資産÷流動負債)は100%を超え、自己資本比率も50%を超えているなど、財務基盤はしっかりとしていることがわかります。


アドビはベータ版のFirefly(画像生成AI)のリリースを発表していますが、これはPhotoshopなどに追加されるもので、例えば写真に動物を加えたり、曇りの写真を晴れに変えたりしたいとなった場合に、動物を加えたい個所や晴れに変えたい個所を選択(範囲指定)して、指示を出してGenerateのボタンを押すと、AIが動物を加えたり、曇りの写真を晴れに変えたりしてくれます。写真の加工・編集に特殊な技術が必要になるわけではなく、指示を出すだけで簡単にできるようになります。


画像生成AIは文字情報を視覚化する(画像を生み出す)技術であるためtext-to-imageと言われています。また最近では文字情報を映像化するtext-to-videoの技術も開発が進んでおり、この技術は将来のビデオ編集や映像制作を大きく変えることになるかもしれません。


以下のリンクはアドビの投資家情報(IR)です。

https://www.adobe.com/investor-relations.html


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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