海外ニュース IMFは世界経済の回復は不安定なものになると予測している
こんにちは。
exit.です。
今回は、IMFが2023年4月11日に発表した世界経済の見通し(World Economic Outlook)について見ていきたいと思います。
今回のレポートのタイトルとしては「不安定な回復(A Rocky Recovery)」となっています。
2023年の1月のレポートの予想経済成長率と比較すると、今回のレポートでは2023年の世界の経済成長率は2.9%から2.8%へと0.1%下方修正されています。下方修正の理由としてはシリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスとUBSの経営統合などに代表される金融不安がロシアによるウクライナの侵攻による悪影響(インフレ圧力など)に上乗せされた結果としています。現在、中央銀行はインフレ抑制のために金融引き締めを行っていますが、金融不安により金融機関が貸し渋りを行うようになれば、金融引き締めと同様の効果を発揮することになりますので、結果として過剰引締めになるリスクは高まっていると考えることができそうです。また、IMFのレポートでは日本の経済見通しについては、前回のレポートから-0.5%の下方修正となっています。理由としては設備投資の減少などを挙げていますが、今後の経済の先行きが不透明であることを反映しているものと考えられます。先進国の経済成長率は2023年予測では小幅な上昇修正となっていますが、新興国の経済成長率は上方修正となっています。ただし、今後の金融規制強化の影響などを反映させた経済シナリオだと経済成長率の成長幅は0.3%ほど縮小するとしています。この影響は特に米国を中心とした先進国で大きくなると予測されています。
※IMF「A Rocky Recovery」(2023年4月11日)より主要箇所を抜粋して作成
直近で注目される経済金融系のイベントとしては、5月2日~3日にかけてのアメリカのFOMC、4月27日から4月28日にかけて植田総裁就任後初めての日銀の金融政策会合があります。FOMCでは利上げをどこまで継続するのか(5月の0.25%の利上げは織り込み済みとされています)、インフレや経済の見通し、ターミナルレートの見通しや利下げについてどのように考えているのかについて発言があるのか、発言があった場合タカ派的な内容なのかハト派的な内容なのかが注目されるポイントとなりそうです。日銀の金融政策会合では、金融緩和の維持が見込まれていますが、将来的な見直しに含みを持たせる内容が確認されれば、円高株安になるかもしれません。植田総裁は、今までの金融政策などの点検や検証を行うことについて議論があってもよいとの発言もしていますので、今後の発言にも注目が集まりそうです。
以下のリンクより今回取り上げました世界経済の見通しのレポートを読むことができます。リンク先は英語ですが、日本語版も読むことができます。
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2023/04/11/world-economic-outlook-april-2023
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