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政治経済 植田日銀総裁の就任会見と日本株式市場を巡るニュース

政治経済 植田日銀総裁の就任会見と日本株式市場を巡るニュース

こんにちは。

exit.です。

今回は、2023年4月10日(月)に行われました植田和男日銀総裁の就任会見の内容と今後の日本株式市場を巡るニュースや話題について取り上げたいと思います。


10年間続いた黒田東彦氏(2023年4月8日(土)任期満了)の後をついで、新しく日銀の総裁に就任することになったのが経済学者の植田和男氏です。2023年4月10日(月)に就任会見を行い、黒田氏の行ってきた大規模な金融緩和政策を当面維持することが望ましいとの認識を示しました。金融緩和政策の一つである『マイナス金利』についても副作用(金融機関の収益に与える影響)があることは認めつつも「基調的なインフレ率がまだ2%に達していないという判断のもとでは、継続するのが妥当であると考えている」と述べています。また『イールドカーブコントロール(YCC)』についても、「現状の経済、物価、金融情勢を鑑みるに継続することが適当であると考えている」と発言しています。黒田前総裁に関しては、「思い切ったことを決断・実行」したことを評価すると述べていますが、点検や検証があってもいいと思っているとの認識を示していることから、政策変更の可能性を残しています。


黒田氏の後を引き継ぎ、またアメリカやヨーロッパで金融不安が起こり、世界的にインフレが問題となっている中での船出となった植田総裁には、課題も多く待ち構えています。一つ目は、日銀が購入している大量のETFをどうするかです。市場で売却すれば株価が大きく下落する可能性がありますし、株価が〇%上昇したら売却するという考え方は官製相場だという批判の声を招く可能性があります。二つ目は、生産性の上昇は金融政策だけでは向上しないことです。生産性の向上がなければ持続的な経済成長は難しく日銀の目標達成にはつながりません。三つめは、インフレ率です。日銀は基調的なインフレ率は2%に達していないとの認識ですが、世界的なインフレが長引き、その影響が日本経済に悪影響を与える可能性がでてきたときに、日銀に打てる手は限られてしまいます。


日本株式市場に関連するニュースを最後に取り上げたいと思います。植田日銀総裁の就任会見ではサプライズ的な要素はなく、金融緩和の継続とのことで株価に与える影響はプラスと判断できそうです。また、ウォーレンン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ社は日本円建ての社債を発行し、日本株式市場への追加投資を検討していることが報道されています。東京取引所はPBR(解散価値)が1倍を割れている企業に対して、対応策(具体策の開示・実行)をとることを要請しています。バフェット氏はバリュー投資家として知られており、東証もPBRの1倍割れを解消するよう企業に要請しているタイミングでのことでもあるため、日本株に注目が集まるかもしれません。ただし、世界経済減速やリセッション(景気後退)のリスクや影響を過小評価しているとの声もありますので、アメリカを中心に株価が下げるならば日本株もその影響を受けて下げる可能性は十分にあると思います。


植田日銀総裁の今後の金融政策のかじ取りや、ウォーレン・バフェット氏がどの企業への投資を行うのか、日本を含めた世界の景気がどうなっていくのかなど注目点は多いと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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