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世界経済 1月31日~2月1日のFOMCの内容について

世界経済 1月31日~2月1日のFOMCの内容について

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは1月31日から2月1日にかけて開かれましたFOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)の内容を中心に見ていきたいと思います。


今回のFOMCでは事前の市場予測通りに0.25%の利上げとなりました。この結果、政策金利(FFレート)は4.50%~4.75%となっています。声明文自体は、インフレがやや緩和されてきたという表現があったためややハト派と評価されていますが、今後も継続的な利上げが必要との発言もあり、必ずしもハト派一辺倒の内容ではなかったような印象となっています。ジェローム・パウエル議長は金利の引き下げについては言及しておらず、またターミナルレートについても言及はしていませんが、目標誘導レンジについては「継続的な引き上げが適切だ」と述べています。ロシアとウクライナの戦争多大なが人権及び経済的困難を引き起こし不確実性を高めており、また戦争がインフレの上振れ圧力となり、世界経済の重しとなっている点にも言及しています。


インフレ率に関しては確かに下落してきましたが、依然として目標としている2%よりも高い数値になっているうえに、労働市場は逼迫しています。この点に関しても、FRBは注視を続けるとしています。現に、2月3日(金)に発表されました1月の雇用統計では、農業分野を除く就業者の増加数は市場の事前予測である19万人を大幅に上回る51万7千人という結果になり、失業率も3.4%と低い数値になっています。この結果を受けて、人手不足による賃金上昇が継続することでインフレが長引き、FRBが利上げを続けることが予測されたことで、アメリカ株は大きく下落し、金利も上昇しました。また、円安も進み雇用統計発表前の129円台から131円台となっています。


市場では、6月ごろにインフレのピークアウト及び今年の後半からの利下げを織り込んでいました。利上げについても今年は3月のFOMCで後1回引き上げられ、政策金利としては4.75%~5.00%で利上げの終了となるとみられていました。今回の雇用統計の結果を受けて5月も利上げを行い、政策金利が5.00%~5.25%となることを織り込んでいく可能性もあります。その場合、ドル高となり企業業績に影響を与えるかもしれません。市場では第1四半期(1月~3月)が企業業績の底となることを見込んでいますので、利上げの継続によって、この予想を変えることになるかもしれません。12カ月先のEPS(1株当たりの利益)については下方修正が入ってきていますが、ゴールドマンサックスはリセッション入りになる確率を下げ、ソフトランディングが可能との見方を占めています。


去年はインフレ率の数値(CPI:消費者物価指数)によって株価が大きく上下してきましたが、今年はどちらかというと雇用統計の影響が大きくなりそうです。強い雇用統計の数値が出続ければそれだけ金融引き締めが続くことになる可能性があり、それが企業業績に影響を与え続けることになれば株式市場にとっては上昇しにくい展開が続くことになりそうだからです(いわゆる逆業績相場)。ただし、債券投資については利回りが高い状態が続くことになるので、投資妙味が出てくることになると考えられます。まだまだ先が読みにくい状況が続きますが、リスク許容度に応じて現金比率などに注意を払いながら投資を継続していってもらえればと思います。


今回のFOMCの内容につきましては以下のページよりご確認いただけます。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/monetary20230201a1.pdf


前回のFOMCについてのコラムは以下のリンクよりお読みいただくことができます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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