世界経済 2022年の為替相場の振り返りと来年の為替相場について
こんにちは。
exit.です。
今回は2022年の為替の振り返りと2023年に向けての為替相場(ドル円)についてどのように考えるかについて取り上げたいと思います。
まず、為替の動きから見ていきます。2022年のドル円の為替相場はインフレに対処するためのFRBの急激な利上げもあり、円安が急速に進むこととなりました。年初では115円台だった円が、10月20日には151円90銭台に乗せています。政府(財務省・日銀)は9月22日と10月21日にそれぞれ為替介入を行いました。1回目の介入でドル円は145円台後半だったものが、140円台中盤まで円高を進め、その後142円20銭台でやや円安に振れて終わりました。2回目は151円90銭台から146円台まで円高を進め、147円台でこちらもやや円安に戻して終わりました。また、12月20日に行われました日銀政策決定会合の中で10年国債の利回り(長期金利の変動幅)を現状のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.50%へと拡大させることを決定しました。この発表を受けて137円台だった為替が一気に130円台まで一気に円高に振れる結果となりました。
次に日米の金利差について見ていきます。日本とアメリカの10年国債の利回りの差は、年初では1.43%台でしたが、アメリカは金融引き締めにより政策金利を上昇させていくにしたがって金利差も広がっていくこととなりました。ドル円が151円を超えてきたピーク時の10月20日には、日米の10年国債の利回りの差が3.98%台で一番大きくなりました。FRBは今後も金利の引き上げを行っていく見通しではありますが、今後の景気の悪化を債券市場(債券投資家)が織り込み始めれば、日米の10年国債の利回りの差は縮まっていくことになります。また、為替の箇所でも書きましたが、日銀政策決定会合の結果を受けて、金利差も縮まることになるので、円高に振れる要因となります。
来年の為替の見通しですが、結論から書きますと125円前後まで円高が進む可能性があると考えています(機関投資家の来年の為替見通しも125円前後に集中しています)。アメリカの金融政策としては来年前半も引き続きFRBは利上げを行い、現在4.25%~4.50%の政策金利を5.00%~5.25%(データによっては5.25%~5.50%)に近づけていくものと思われます。ただし、債券市場はリセッション入りや景気減速の可能性を見越し10年国債の利回りは大きくは上がらず、推移していくと考えられます。対して日本は2023年4月8日で黒田総裁の任期満了となり、後任については来年の1月もしくは2月に掲示されると考えられています。現在有力な後任候補として名前が挙がっているのが雨宮正佳氏と中曽宏氏の2名となっています。雨宮氏は国内派と呼ばれ政官界に幅広い人脈を持つとされ、現在の金融政策を主導してきた人物です。一方の中曽宏氏は国際派として知られ国際金融業界では知名度が高く、海外とうまくコミュニケーションが取れる人物とされています。どちらが後任として日銀総裁になっても、国内の景気やインフレ率などを見ても政策の幅は限られていると考えられていますが、12月20日に発表された長期金利の変動幅の見直し(サプライズとなりしたが)は、後任が政策変更をしやすくするための余地を作ったという見方もできそうです。
来週が今年最後のコラム更新の予定となっております。弊社は12月28日~2023年1月5日まで休みとなりますので、宜しくお願い申し上げます。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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