海外ニュース ARK Investment Management LLCのビットコイン月次レポートと暗号資産を取り巻く環境について
こんにちは。
exit.です。
今回は、ARK Investment Management LLC(以下、アークインベストメント社)が毎月発行しているビットコインの月次レポート2022年11月分を取り上げながら、暗号資産を取り巻く環境について触れていきたいと思います。
アークインベストメント社のレポートでは、11月のビットコインの価格は前月よりも16.2%下がって17,100ドルとなっています。本コラム執筆時でも17,210ドルほどとなっており大きな価格の変動はなく推移をしている状況です(ビットコインの価格のデータの参照元は違います)。年初来リターンは-60%以上となっており、非常に厳しい状態となっています。取引所からの資金流出は過去最高となっているなど弱気な情報もある中で、同社はビットコインが過剰に売られている状態が続いており、マイニングなどに係るコスト以下の価格で取引をされているとして強気の見方を継続しています。
11月の暗号資産の市場に大きな影響を与えたのは、11月11日に世界第二位の暗号資産の取引所(交換業者)であったFTXが日本の民事再生に当たるChapter11(米連邦破産法第11条)を申請したことです。レポートの中でも、暗号資産の歴史の中で最も打撃を与える出来事であると書かれています。また、アメリカの企業で暗号資産を担保に貸し付けを行うレンディング企業の世界大手の一角であるブロックファイも経営破綻(チャプター11の適用を申請)することとなりました。ブロックファイは資金繰り改善のためにFTXの支援を受けていたため、FTXの破綻に伴い連鎖倒産することとなりました。今年に入ってから、暗号資産ヘッジファンドであったスリーアローズキャピタルも破綻するなど、暗号資産に関わる企業にとっても厳しい状況が続いています。今月(12月)12日には創業者であり前CEOであったサム・バンクマンフリード氏(SBF)がバハマで逮捕されました。アメリカ当局からは刑事訴追手続きの開始も行われているようです。容疑の詳細については現時点ではまだわかっておらず今後の発表が待たれます。SECも同氏を証券法違反に関して民事提訴することを声明で発表しています。またバイナンスに関しても資金洗浄防止法違反などに抵触の疑いがあるという報道がなされたりしています。
今回のFTXの破綻に伴い、アメリカだけではなくヨーロッパなど他の国も暗号資産の規制強化に乗り出すのではないかと考えられています。現在のSEC長官のゲンスラ―氏は暗号資産を証券とみなして証券取引法による規制強化を主張している人物であり、アメリカの議会が暗号資産を商品(コモディティ)とみなして法案整備に取り掛かった際には、厳しく批判をしていました。暗号資産業界のロビイストとして巨額の政治献金を行ってきたのは、逮捕されたバンクマンフリード氏であり、FTXの破綻と共に暗号資産業界にとって好都合な規制の導入の目論見は崩れたように見えます。
直近では、暗号資産に投資するファンドへの資金の流れは流入から流出へと反転し、少なくとも利上げが終わるまでは暗号資産の冬の時代が続くとの考え方を示す企業や投資家が増えてきています。また保守的な投資家は、暗合資産よりも安全な債券や金などに資金を移しているとみられています。暗号資産だけではなく、NFTなども投資の面で注目をされていますが、今後どのように法整備されていくのか、規制されていくのかには注意を払う必要があります。法整備や規制の内容によって価格は大きく変動する可能性があることと、流動性に問題がある場合もあったりすることがあるため投資する際にはこの流動性にも注意を払う必要があると考えます。
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