世界経済 マレーシア編 第3回目
こんにちは。
exit.です。
マレーシア編の最終回となる今回は、経済などの面から皆様に情報をお届けしようともいます。
※クアラルンプールとは、「クアラ=泥」、「ルンプール=合流する場所」という意味になります。
前回のコラムは以下のリンクよりお読みいただくことができます。
マレーシアの経済を支えるのは、製造業の中では電子部品関連、製造業以外では農業や天然資源、観光業がメインとなっています。天然資源の中でも錫が非常に有名でマレーシアを代表するものとなっています。またTouch’n Go(タッチアンドゴー)と呼ばれているカードやアプリを利用する機会が多く、持っていると公共交通機関や高速道路を利用する際、カフェやスーパーなどで買い物する際に支払いに使えるため便利です。カードはオンラインで登録もできるので利用明細の確認ができたり、アプリではQRコードで支払いができるようになったりします。銀行事情としては、Malayan Banking Bhdといった現地の最大手の銀行でマレーシアの金融のデジタル化をリードする銀行もあれば、OCBCやHSBCといった外資系の銀行や三菱UFJ銀行(MUFG Bank)といった日系の銀行もあります。金利の日本の銀行よりも金利が高く設定されています(コラム執筆時の政策金利は2.75%、定期預金金利もおおよそこのあたりの%となっています)。IMFの経済成長予測では、マレーシアの2022年の経済成長率は5.4%、2023年は4.4%、2024年は4.9%、2025年は4.4%と4%代から5%代の見通しとなっています。安定して経済成長を続けているマレーシアはアジアの優等生とも呼ばれています。
マレーシアはMM2H(Malaysia My Second Home)Visaと呼ばれる条件を満たせば発行してもらえる長期滞在ビザがあることでも有名で、このビザを利用して移住する日本人も多く、また世界的に見ても人気が高い移住先となっています。しかし、2021年10月にこのビザの申請条件が変更となりました。新しい制度では有効期間は5年、35歳以上50歳未満の対象者は年間90以上の滞在が必須となり、人数制限が設けられました。また、金融資産や収入に関する条件も変更となり、月収が4万リンギット以上、定期預金の金額は100万リンギット以上、流動資産の金額は150万リンギット等となっています。これは1リンギット=30円とすると月収は120万円以上、定期預金の金額は3,000万円以上、流動資産の金額は4,500万円以上となります。旧制度では、有効期限は10年で滞在期間に関する条件は無く、人数制限もありませんでした。金融資産や収入に関する条件も、旧制度では月収1万リンギット(約30万円)、定期預金15万リンギット(約450万円)、流動資産は50万リンギット(約1,500万円)でした。新制度と旧制度を比較するとかなり条件が厳しくなりました。
※月収に関する条件はマレーシア国外での収入となります。
東南アジアの多くの国では外国人の土地付きの住宅を購入・所有することに対して制限がかかることが多いですが、マレーシアの場合には土地付きの住宅の購入・所有を行うことができます。ただし、マレーシアでは外国人が購入・所有できる不動産(物件)の価格に関して条件があります。条件は週や地域によって異なるのですが、コンドミニアムでは100万リンギット、土地付きの住宅も同じく100万リンギット(どちらの場合も約3,000万円)が目安となります。この金額を下回る物件の売買は基本的には外国人はできません。そのため、注意点としては、物件を購入したときは100万リンギット以上だったのに、売却するときには値下がりをして90万リンギットになっていた場合、その物件を売却することができなくなります。
長期滞在ビザや不動産取得(売買)に関する条件は、法律が変われば大きく変わってしまいます。法律が変わった結果、緩和される可能性もありますが、より厳しくなる可能性もあるため、マレーシアへの長期滞在や不動産を含めた投資を行う場合には、最新の情報を確認するようにしておくことが大切です。
今回でマレーシア編のコラムは最終回となりますが、皆様が少しでもマレーシアという国に興味を持つきっかけになってもらえればと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。
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