世界経済 カンボジア編 第3回目
こんにちは。
exit.です。
今回のコラムでは、カンボジア編の最終回となる今回では、カンボジアの経済や金融・政治などをお届けしようと思います。
前回のコラムは以下のリンクからお読みいただけます。
カンボジアの経済については、アジア開発銀行が出している数値では、2020年はコロナの影響を受けて-3.1%という結果で、2021年には3.0%の経済成長を遂げています。予測としては、2022年の経済成長率は5.3%、2023年には6.2%と見込んでいます。インフレやエネルギー価格の高騰など様々な影響を受けていますが、やはり先進国と比較すると高い経済成長率の予想となっています(先進国は2022年で2.5%、2023年で1.4%の経済成長予想となっています:出典IMF『World Economic Outlook -Gloomy and more uncertain-』)。
今回は、首都のプノンペンに行きましたが、開発が行われ、進んでいると言ってもまだまだ新興国であり課題の多い国でもあります。また都市開発なども盛んにおこなわれており、日本の企業の進出も目立つようになってきています。カンボジアの不動産投資の話も出てきているようですが、現地住民のニーズが無いような物件を建設・販売しているケースもあります。日本の不動産と比較して手ごろな価格帯の物件が出ていることもありますが、現地のニーズのない物件を買った場合、最終の出口で行き詰まる可能性が非常に高いので、慎重に判断することが必要となります。カンボジアに限らず、東南アジアの不動産はプレビルド(計画段階)で販売されることが多いため、小さい企業や信用に不安のある会社だと工事が完了する前に倒産したり、工事が終わらなかったりすることもありますので、自分がどのような業者・会社と取引しようとしているのかも慎重に見極めることが必要となります。このような注意点はカンボジアへの投資だけではないのですが、投資を行うなら、出口を描けるものにしないといけないのは鉄則だと考えています。
カンボジアの銀行についてですが、カンボジア最大の商業銀行の一つにアクレダ銀行がありますが、この銀行には三井住友銀行やオリックスが出資しています(この2社でおよそ3割を占めています)。次に有名なのが、同じくカンボジア最大の銀行の一つで、2022年の最優秀銀行に選出されたエービーエー銀行があります。こちらの銀行が提供しているアプリのABA PAYはキャッシュレスの支払いとしては、シェアがかなり高い印象でした。またこれは、お店での支払い以外にも友達とのお金のやり取りをする際にも利用されています。最大の地方銀行の一角としてはカナディアバンクも有名で、よく看板などを見かけることになります。
カンボジアにはまたカジノもあります。プノンペンではNagaWorldというホテル(香港に上場しているNagaCorp Ltdが母体)が独占的にカジノを運営しています。プノンペン以外の年では、カジノ運営に関するライセンスがあれば、カジノを開くことはできるようです。
政治面では中国と結びつきが深く、一帯一路政策においてもカンボジアは重要視しています。ただし、最近では中国の動きを警戒するアメリカのカンボジアでのプレゼンスも高まっています。カンボジアでの人身売買などのニュースが取り上げられたり、違法カジノ問題が取り上げられたりしていますが、現地の人たちからすると昔からあったはずなのに、なぜ今こんなにも取り上げられるのかという感覚もあるようです。このような人権面での問題が取り上げられるようになったのには、アメリカの存在があるのではないかと考えている人たちもいます。今後も、カンボジアを巡って中国とアメリカの駆け引きは続くと考えられます。
最後に、カンボジアに持って行ったほうが良いものなどを書きたいと思います。最初に虫よけスプレーです。カンボジアの薬局でも売っていますが、100ml以内であれば機内持ち込みができますので、日本から自分の使い慣れたものを持っていくことができます。次に折り畳み傘です。カンボジアには雨季と乾季があります。11月から5月くらいまでが乾季で、6月から10月ごろまでが雨季となります。観光でカンボジアに行くには乾季の時期に行くのが良いのですが、雨季に訪れる場合には傘があったほうが良いと思います。日差しがきついため日焼け止めもあるほうが良いです。あとは、チップを払う際に重宝するので、1ドル札を多めに日本などで両替して持っていくほうが良いと思います。なお、カンボジアリエルは日本では両替ができないため、現地で両替する必要があります。あと、持ち物ではありませんが、Grab(グラブ)やPassApp(パスアップ)のアプリはダウンロードして使えるようにしておくと便利です。Grabは東南アジアで広く使われており、カンボジアではPassAppのシェアが高くなっています。
今回のコラムでカンボジア編は終了となりますが、カンボジアという国について少しでも興味を持ってもらうきっかけとなってくれれば幸いです。また機会があればカンボジアについて取り上げるかもしれません。
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