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世界経済 高インフレと進む円安について

世界経済 高インフレと進む円安について

こんにちは。

exit.です。

今回は、高インフレと急激に進む円安について取り上げたいと思います。


新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響を抑えるために、各国の政府及び中央銀行は大規模な財政支出と金融緩和を行いました。これにより経済へのダメージという点では防げたかもしれませんが、現状は行き過ぎた緩和や財政支出と遅すぎた金融引き締め、ロシアによるウクライナの侵攻によるコモディティ価格の上昇などによりインフレ率が高い状態になっていることが問題となっています。アメリカの6月の消費者物価指数は9.1%と市場予測の8.8%よりも高い結果となりました。8月10日に発表される予定のCPIも市場予測は9.0%前後を出してくると思いますので、引き続き高い水準で推移しそうです。日本の物価指数も5月は2.5%となり、4月に引き続き2カ月連続で2%を超えてきており、7月21日に発表される消費者物価指数の予測も2.6%となっています。日銀は物価の上昇はエネルギー価格及び円安による輸入物価の影響であるとしており、金融緩和の継続を決定しています。ただ、このまま金融緩和を継続すると利上げを行うアメリカとの金利差が開き更なる円安を招きかねない状況になっています。日本は輸入に頼るところが大きいため、円安の継続は高いインフレ率の継続を意味します。日本のインフレ率も2%を超えたところで止まる可能性(諸外国から見ると低いですが)もあります。


アメリカは3月のFOMCで政策金利を0.25%、5月のFOMCで0.50%、6月のFOMCで0.75%の利上げを行っています。7月26日~27日に掛けて開かれるFOMCでは、高いインフレ率を背景に1.00%の利上げを予想する声も多いですが、ミシガン大学7月15日に発表した5-10年先のインフレ期待が2.8%と低下していること及びアメリカの住宅市場が冷え込みを見せ始めていることから、6月同様に0.75%の利上げとなる予測も出ています。またFRB当局者は0.75%の利上げを支持しているとの報道が出てきています。0.75%の利上げであれば、アメリカの政策金利は2.25%~2.5%となります。仮に9月・11月・12月のFOMCで0.25%ずつの利上げとなれば政策金利は3.00%~3.25%となり、3%を超えてきます。金融引き締めがいつまで続くかは景気の動向とインフレ率次第のところはあると思いますが、市場関係者の多くは2023年の後半には利下げに転じるだろうと予測をしています。利下げとなれば金利差が小さくなるため円安も落ち着き、やや円高に振れるだろうと考えられます。


7月のFOMCでの1.00%の利上げの可能性が低くなったことで為替は円高に振れましたが、依然として137円台となっています。10年国債の利回りの差や日米の政策金利の差といった要素にドル円は強く反応しています。為替が一気に円安に動き出したのは、今年に入ってからで、去年の12月末の段階では115円台で、10年国債の利回りの差は1.4%程度でした。ドル円が120円を超えてきたのは、3月にFOMCが1回目の利上げを行い、10年国債の利回りの差が2%を超えてきたときです。5月のFOMCで0.5%の利上げが行われると、10年国債の利回りの差は3%に近づいてきたときに、ドル円は130円を超えてきました。6月のFOMCで0.75%の利上げが行われると10年国債の利回りの差は3%を超えてきて、ドル円は135円を超えてくるようになりました。10年国債の金利差はこの時が一旦のピークでとなりましたが、金融引き締めがアメリカでは継続することから、当面はドル円は基本的に円安方向に動くことがメインシナリオとなるかと思います。

※アメリカの消費者物価指数

※日本の消費者物価指数

為替が円安に振れていることによって、年初からの海外株式の下落が円に換算したときには、思ったほど下げていないということになっています。その円安によって、逆に今投資を行いにくいと考えている投資家の方もいるかと思いますが、リタイアまで時間があるのであれば、基本的には為替の動向に関係なく積立投資の継続で良いと考えられますが、投資する対象によっては為替ヘッジを考えたほうが良い資産もありますし、リスクを考えた際には為替ヘッジをしておいた方がリスク許容度から見た場合には良いこともあります。市場に残り続けることを念頭に置きながら、ご自身のポートフォリオを考えてみてください。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


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