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世界経済 2022年の株式市場の現状と下落相場との向き合い方について

世界経済 2022年の株式市場の現状と下落相場との向き合い方について

こんにちは。

exit.です。


本コラム執筆時ではまだウクライナへのロシアの侵攻が続いています。世界的な原油価格の指標の一つであるWTI(「West Texas Intermediate」の略です)は、2022年3月8日時点では120ドルを超えた水準となっています。停戦に向けた交渉も継続されていますが、目立った進捗はなく戦闘状態の長期化の可能性も懸念されています。そして、その影響が世界的な経済への悪影響を与える可能性も示唆されています。


株価が52週の高値から10%下落した相場を「調整相場」と呼び、20%下落した相場を「ベアマーケット(弱気相場)」と呼びます。日本の日経平均株価は年初来リターンが-13.90%、TOPIXは-11.67%となっています。52週の高値からの下落率は日経平均が-19.17%、TOPIXが-15.86%となっています。日経平均が続落すれば弱気相場入りとなり、TOPIXはすでに調整相場入りしていることになります。アメリカでは、ハイテク銘柄で構成されているNASDAQ総合の年初来リターンが-17.99%、高値からの下落率は-20.09%となっているため、すでにベアマーケット入りしています。S&P500も年初来リターンが-11.86%、高値からは-12.35%となっており。こちらは調整相場に入っています。ダウ平均株価も年初来リターンが-9.70%で、高値からは-10.07%とちょうど調整相場に入った形になっています。ヨーロッパに目を移すと、イギリスのFTSE100は年初来リターンが-5.76%、高値からの下落は-6.22%とこちらは調整相場にも入っておらず持ちこたえています。Euro Stock50(ユーロ圏の銘柄により構成されている指数です)の年初来リターンは-18.29%、高値からの下落は-20.20%とこちらもNASDAQ同様に弱気相場入りをしました。新興国でも中国やインドなどの株価指数は年初来リターンが-10%程度となっており、ベトナムなどの一部の国ではマイナスの幅が大きくはなく持ちこたえているような状況にはなっていますが、世界的には株価には下落の圧力がかかっている状況です。

※日経平均及びTOPIXは2022年3月8日時点、アメリカのS%P500やヨーロッパ(イギリスを含めて)の株価指数などの数値は2022年3月7日時点のものとなっております。


アメリカでは3月10日に2月のCPI(消費者物価指数)の発表を控えています。市場予測は7.9%となっていますが、これが予測を超えて上昇した場合には、タカ派的な金融政策が支持される結果となるかもしれません。また、天然資源(原油価格や天然ガス)の価格や農作物(小麦やコーヒーなど)の価格や金やプラチナなどの貴金属の価格も上昇を続けており、特に資源価格や農作物などの価格の上昇は、消費に直結するものであり、この価格が上昇を続けたり、高止まりをしたりするなどした場合には、経済への影響が大きくなり、コロナからの経済回復から一転して、不況と判断される経済状態となってしまう可能性が出てきています。現状はまだデータとしては出てきていませんが、不景気入りを示すデータが出てきた場合やロシア国債のデフォルトが実際に起こった場合には、さらなる株価の下落を招くことになるかもしれません。


コロナ以降の金融緩和政策や大規模な財政政策が実施されていた時期の前後から投資を始められた投資家の方々にとっては初めての本格的な下落・調整、ベアマーケット入りの経験になっているかと思います。このような相場で意識をしておきたいのは、現金比率に注意をすることと自分の金融資産のポートフォリオを如何にシンプルなものにしておくか、ということになります。このような状況においてはシンプルなものほど、生き残りやすくなります。この局面で投機的なレバレッジをかけていれば、損失が耐えられないほど大きくなってしまう可能性がありますし、信用取引をされている場合には、ポジションによっては追証を求められることになるかもしれません。どちらも投資をやめる(退場する)ことにつながりかねません。『市場にベア(弱気)な見方をする場合も、リスク資産へのエクスポージャー(リスクにさらされる投資の比率のことです)をゼロにしてはいけない』という「債券王」と呼ばれるジェフリー・ガンドラック氏の格言があります。ここで投資を止めたりするのではなく、不安な場合には自分のポートフォリオを見直して無理なく投資を継続していけるようにしてもらえればと思います。

※「シンプルなもの」とは、仕組み債のような特殊なものではない債券及び債券ファンドやレバレッジのかかっていない(インデックス)ファンド・投資信託、金(実物資産)などへの投資のことを指します。


一日でも早い停戦及びウクライナの復興を願っています。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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