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世界経済 1月のCPI及び日米の金融政策について

世界経済 1月のCPI及び日米の金融政策について

こんにちは。

exit.です。

今回のコラムでは1月のアメリカのCPI(消費者物価指数)及び日米の金利(金融政策)について取り上げていきたいと思います。


2月10日に発表されたアメリカの1月のCPIは7.5%となりました。これは12月のCPIの7.0%を超えており、また市場予測の7.3%をも上回る結果となっています。インフレ率がここまで高くなったのは1982年以来なので、およそ40年ぶりのこととなっています。主な要因となっているのは、物流が停滞していること及び人手不足、さらにウクライナ情勢等によってエネルギー価格が高止まりしていることです。春以降や今年の後半以降には物価の上昇は落ち着いて、インフレは鈍化するだろうとの予測が多くなっていますが、見通しは不透明であると考えるほうが良いと思います。この結果を受けて、特にタカ派として知られているセントルイス連邦銀行総裁のジェームズ・ブラード氏が3月での0.5%の利上げ及び7月1日までに1%までの政策金利の引き上げを支持すると述べています。3月に開かれるFOMCでの利上げの幅は0.5%とする予想も増えており、0.5%の利上げが発表されるだろうとの予測が9割を超えています。


ブラード氏の発言内容及びウクライナをめぐる情勢を受けて株価は大きく下落しています。さらに、アメリカの10年国債の金利(利回り)は一時2.0%を超えるなどしています。10年債の金利上昇と同時に2年金利も急上昇しており、10年国債の利回りとの差は縮まっており逆イールドの発生が視野に入っているような状況となっています。

※逆イールドにつきましては、次回のコラムにて取り上げたいと思います。


日本銀行は、2月14日から「指し値オペ」を実施すると発表しました(2月10日)。指し値オペとは、指定した利回りで国債を買い取ることで金利の上昇を抑制する金利抑制政策のことです。新しく発行される10年国債(新発10年物国債)を対象として、0.25%の利回りで原則として応札分をすべて買い取る(無制限)と通知しています。

※以下のリンクが日本銀行の指し値オペの実施についての通知となります。

https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel220210d.pdf


日本では金利抑制政策をとる(金融緩和政策の継続)一方で、アメリカはインフレの抑え込みのために急速に利上げを行う(金融引き締めに動く)という真逆の金融政策を実行することになります。これは、日本とアメリカの金利差を広げることとなり、アメリカドルに対するヘッジコストの上昇及び、円安ドル高に振れる要因となる可能性があります。ただし、日本でも物価上昇圧力は高まってきており、企業物価指数は8.6%の上昇をしています。日本では物価指数が大きくは上がっていないのは、単に企業側が売値に転嫁できていないからと考えられますが、このまま海外で物価が上昇を続ければ、いずれは限界が来てしまいます。今のところ、日銀の黒田総裁は物価指数(CPI)が2.0%の目標に届かないという姿勢でいますが、携帯料金の値下げの効果が切れてくれば、自然とCPIの数値も上昇してきます。日本のCPIが2.0%を超えたときにどのような金融政策日銀がとっていくのかについては注目をしておいた方が良いと思います。日本でもいよいよデフレが終わり、インフレ(コストプッシュ型インフレ:供給側の要因によるインフレ)の時代が来るかもしれませんので、インフレに負けない資産運用や資産保全がますます求められる局面になっていると考えられます。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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