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政治経済 日本証券業協会のレポートから考える資産形成の促進について

政治経済 日本証券業協会のレポートから考える資産形成の促進について

こんにちは。

exit.です。

今回は、日本証券業協会(JSDA:Japan Securities Dealers Association)が2021年10月20日に発表した「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」の内容について見ていきたいと思います。


この「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」とは、日本全国の20歳以上の証券保有者5,000人を対象としたインターネット調査となっています。調査には年齢の他に、年収や金融資産の保有状況、金融に関する知識の現状やSDGs債やESG債の認知や保有状況、確定拠出年金の認知や加入状況、金融所得についての課税について、フィンテックの利用状況等、幅広い項目について結果をまとめています。


個人年収は調査の推計平均年収は419万円(2020年は423万円)で、300万円未満が全体の45.9%となっています。70代では62.2%が年収300万円未満と回答しています。全体では金融資産の保有額で見ると、1,000万円未満が56.8%を占めており、平均推計保有額は1,611万円(2020年は1,610万円)となっています。20代~30代では保有金融資産額が1,000万円未満の割合が83.8%であるのに対し、60代以降では1,000万円超が半数以上となります。有価証券の保有状況で見ると、株式や投資信託でそれぞれ76%と59.7%となっていますが、公社債は12.6%にとどまっています。保有株式については国内上場株式への投資が95.3%となっており、海外上場外国株式や国内上場外国株式への投資は9.8%、8.1%とかなり低い割合となっています。株式の平均保有額は729万円(2020年は688万円)となっています。若年層はキャピタル狙いの投資が多い一方で、年齢層が上がると配当金や株主優待を重視する割合が増えてくることにも特徴があります。金融知識に関しては、「金利が上がれば債券価格は低下する」という質問に対する正答率が50%を下回っていますので、まだまだ金融に関する知識の不足が見られます。また、金融の知識の高さと平均年収や金融資産保有平均額の間には相関関係がみられており、金融知識が高いほど金融資産平均保有額が大きく、金融知識の乏しい層ほど、金融資産保有平均額は小さくなっています。


制度面を見ていくと、NISA口座をすでに開設済みもしくはつみたてNISA口座をすでに開設済みとなっている人数は3,310人(66.2%)となっています。口座開設意向ありまで含めると7割を超える割合になってきます。口座開設状況を見るとつみたてNISAは20代~30代で一番割合としては高くなり年齢が上がるにつれて割合は減ってきます。逆に一般NISAの口座の開設割合は年齢が上がるほど割合が減ってきます。若年層が20年超の長期の資産運用(資産形成)を重視する一方で、年齢が上がっていくと一般NISAを利用した5年程度(20年ほどではない中長期)の運用のニーズが高いように見られます。NISAやつみたてNISA口座以前は有価証券を購入したことがない人が28.7%となっているため、このような非課税制度が投資の普及に一定の役割を果たしていると言えると考えられます。非課税口座の利用目的としては老後の生活資金作りが57.6%となっていますので、老後不安の強さが出ているのかもしれません。また、2024年から新NISAになりますが、制度変更をきっかけにつみたてNISAに切り替えると答えた割合は若い世代ほど高くなっています。企業型確定拠出年金やiDeCoに加入している割合は全体では25.4%と約四分の一にとどまっていますが、20代~30代の層では50.5%と半数を超える結果となっています。最後に金融所得の課税に関して、増税するとなった場合に投資方針に何らかの影響があると答えた割合は6割近くに上り、増税が多くの個人投資家の投資行動に影響を与える可能性があることが見て取れます。フィンテック(ロボアドバイザーや暗合資産など)の利用率は全体としては高くなく、今後の伸びしろが大きく見えます。


今回のコラムでは、「個人投資家の証券投資に関する意識調査【インターネット調査】(概要)」を見てきましたが、まだまだ制度や金融知識の普及などに課題はありますが、少しずつ改善されてきているようにも見えます。今後日本の金融制度(NISAや税金面、教育面を含めて)がどのようになっていくのか、割合や数値がどのように推移していくのかは引き続き見ていく必要があると思います。弊社のコラムでも、金融教育や投資に役立つ情報や経済に関するニュースや新しい価値やサービスを提供する企業について発信していきます。コラムを読むことによって少しでも皆様の金融・投資・経済に関する知識の習得やそれらの分野に対する興味を持ってもらえるようにしていければと思っています。


以下のリンク先で日本証券業協会の意識調査の概要を見ることができますので、お時間がありましたらご覧ください。

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/kojn_isiki.html


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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