NEWS

投資の基礎 実物資産編 金への投資方法について

投資の基礎 実物資産編 金への投資方法について

こんにちは。

exit.です。

今回は、金に投資を行う方法について見ていきたいと思います。


まず、金の国際取引は、1トロイオンス(貴金属の質量単位で、約31.1035グラム)当たりの米ドル建てで取引をされており、実際に買い付けるとなった場合には、以下の計算式で金の価格(円建て)は計算されます。


国内金価格(円/グラム)=(米ドル建て金価格(米ドル/トロイオンス)+売買経費(運賃や保険料など)×為替レート(TTS:対顧客電信売相場)÷31.1035+手数料


金は歴史的に、金自体に価値がある「実物資産」と評価されており、リスク対応としての「安全資産」やインフレへの「ヘッジ資産」としての性質を持っているため、ポートフォリオに組み込む人やプライベートバンクも多いです。ここでは、金に投資する(金への投資と同じような意味を持つ)方法を取り上げたいと思います。


(1)金ETF(上場投資信託)

証券取引所に上場する投資信託で、金価格に連動することを目指すよう商品設計されています。ETFは株式同様、取引時間中であれば、いつでも売買することが可能となります。例としては、SPDRゴールド・シェア(1326)などがあります。


(2)金関連の投資信託

金や金に関連する金融商品を含む投資信託、ETF、金鉱企業の株式などを投資対象とする投資信託を購入する方法です。例えば金に投資する投資信託であれば、iシェアーズ ゴールドインデックスなどがあり、金鉱株式に投資する投資信託であれば、ブラックロック・ゴールド・ファンドなどがあります。


(3)金鉱株

金の採掘や精錬を事業内容とする企業の株式を買い付けることで金の価格上昇の恩恵を受けることです。例えば、アメリカで上場しているカナダ企業のバリックゴールド社(GOLD)などがあります。金への現物投資と違って、配当を出す企業もあるためインカムゲインを得ることもできます。


(4)純金積み立て

地金商(例:田中貴金属工業株式会社など)や貴金属メーカー(例:石福金属工業株式会社など)、証券会社(例:SBI証券、楽天証券など)などを通じて定期(定額)購入することです。取引(売買)手数料だけではなく保管料がかかる場合があるなど会社によって取引や保管に係るコストが違いますので、純金積み立てを行う場合はしっかりと調べることをお勧めします(手数料もそうですが、利便性も考慮するほうが良いです)。積み立てた金もある程度のグラムになれば、取り寄せることができますが、この場合は盗難などのリスクに注意する必要があります。


(5)金・地金・金貨

金・地金取引は延べ棒(バーとも呼ばれます)やインゴットと呼ばれる金の現物取引のことであり、非取引所取引における金現物の価格は、購入するときは「小売価格」、売却するときは「買取価格」で売買することになります。金貨の場合は、アメリカ、オーストラリアやカナダなど海外の造幣局が発行する金貨を地金商などから購入することになります。金貨以外にもプラチナや銀貨などもあります。金価格以上のプレミアムがつくケースもあり、コイン投資として知られています(特にアンティークコインは人気があります)。手元保管する場合には盗難などのリスクに注意する必要があります。


税金面では、金現物の売買による損益は、事業・営利を目的とした継続的な売買の場合を除いて、原則としては、譲渡所得として総合課税の対象となります。譲渡所得金額の計算方法は、所有期間(5年以内=短期、5年超=長期)によって異なってきます。短期譲渡所得の計算方法は、まず金・地金の譲渡損益を「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金・地金の譲渡益」により計算し、その後「(金・地金の譲渡益+その年の金・地金以外の総合課税の譲渡益)-譲渡所得の特別控除50万円」で課税される譲渡所得の金額を計算することになります。長期譲渡所得の計算方法は、短期の場合と同様にまず金・地金の譲渡損益を「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金・地金の譲渡益」により計算し、その後「金・地金の譲渡益+その年の金・地金以外の総合課税の譲渡益-譲渡所得の特別控除50万円」により譲渡所得の金額を求め、その譲渡所得の金額に1/2 をかけることにより 課税される譲渡所得の金額を計算することになります。


なお、金製の仏具は相続税の非課税資産となる場合があります(ただし、日常礼拝をしている物に限られ、骨董的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有している物は、非課税になりません)。


本コラムでは金の先物投資は取り上げませんでした(レバレッジをかけることが可能なためリスクが高くなります)。また、最近ではビットコインのような暗号資産が金の果たしてきた役割を代わりに果たすことが可能なのではないか、との意見も出てきていますが、本コラムではテーマとしては取り上げませんでした。


インフレヘッジとしてポートフォリオに組み込まれることの多い金ですが、戦争や紛争などの有事の際にも意識されることが多いです。不安定な相場が続くことが想定されますので、金を組み込むなど株式以外の資産にも目を向けてみても良いかもしれません。


以下は、金への投資について取り上げました前回のコラムのリンクです。今回のコラムと併せてご覧いただければと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


以下のリンク(CONTACT)から弊社へのお問い合わせができます。節税をしたい、資産運用について考えたい、保険の見直しを行いたい、ライフプランについて考えていて相談をしたいことあるなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。