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政治経済 株式投資編 2021年の株式投資について-4

政治経済 株式投資編 2021年の株式投資について-4

こんにちは。

exit.です。

今回は2021年の株式投資について、2021年9月24日までのそれぞれの市場を振り返りながら、今後の投資における市場環境を考えていきたいと思います。


前回は2021年6月30日(公開日)に今年の株式投資についてのコラムを書きました。そのコラムの中で、2021年8月26日~28日ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウム(開催は27日のみでした)でのFRB議長ジェローム・パウエル氏の講演内容及びその後のマーケットの反応を見て判断をしても良いのではないかとお伝えをしています。


まず、2021年9月24日時点での年初来リターン(2020年12月末と比較)をそれぞれの市場で見ていきます。


日経平均株価は、30,248.81円で年初来リターンは10.22%です。TOPIXは2,090.75ポイントで年初来リターンは15.85%となっています。菅総理が自民党総裁選への立候補を見送った、というニュースを一つのきっかけとして大きく相場が上昇しました。ただし、もともと外国の投資家が日本株を大幅に売り越していたによる買い戻し及び日本株の指標面から見た割安面なども意識されての上昇となっていると考えられます。アメリカや中国の経済動向によっては、指標面から見た割安感がなくなる可能性もありますので、世界経済の動向には注意が必要です。


アメリカでは、NASDAQが15,047.70で年初来リターンは16.75%、NYダウは34,797.60ドルで年初来リターンは13.69%、S&P500は4,455.48で年初来リターンは18.62%となっています。9月21日~22日でFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれていました。内容としましては、テーパリングの年内実施の意向は変わらないことや、テーパリングの終了は2022年の中頃が適切と判断される可能性があること、2022年中の利上開始予想が参加メンバー18名中の9名となり、早ければ2022年の後半にも利上げをする可能性も出てきている、というものでした。また、テーパリングの終了と利上げのタイミングは関係がない(直接のシグナルではない)ことや、連邦債務上限の(早期の)引き上げなければ経済や金融市場に深刻なダメージを与えるとして、債務上限について早期の決着を望んでいることも発言をしています。また、中国の不動産大手のEvergrande Group(中国恒大集団)は中国固有の問題のように思える、とパウエル氏は発言しています。なお、FOMC後の9月23日には、アメリカの10年国債の利回りが1.4%を超えてFOMC前と比較して0.1%(前日比+10%超)となっているので、長期国債の利回りの変化(動き)もみておく必要があると思います。長期金利が上がり続ければハイパーグロース株にとっては逆風となります。


ヨーロッパでは、ユーロ・ストック50(欧州を代表する株価指数のひとつ)は4,158.51で年初来リターンは17.05%となっています。イギリスの英国FTSE100は7,051.48で年初来リターンは9.15%となっています。ECB(欧州中央銀行)総裁のクリスティ・ラガルド氏が2021年9月9日のECB理事会後に資産の買い入れ(パンデミック緊急購入プログラム(PEPP))を小幅縮小することを発表しています。


今後の注意するべき点としては、大きく分けて3つあると考えています。1つ目は、アメリカの連邦債務上限の引き上げです。これが早期に解決の目途が立たないまま10月にはいっても決着しないとなるとアメリカ政府の債務不履行(デフォルト)に陥るリスクが懸念され、株式や債券などの市場に大きな影響を与える可能性があります。これは、民主党や共和党の駆け引きに使われている面もあるため、実際にデフォルトする可能性は決して高くはないと考えられますが、意識はしておくほうが良いと思われます。2つ目は、中国恒大集団のデフォルトです。9月23日が期限だった米ドル建て社債の利払い8、353万ドルを延期しています。29日には別のドル建て社債の4,750万ドルの利払いも控えています。利払いには30日間の猶予があるが、それを過ぎてデフォルトになるかが注目されています。デフォルトとなれば、中国経済へ与える影響もマイナスとなります。パウエル氏は、アメリカへの影響は限定的(中国固有の問題に見える)という立場ではありますが、どのような影響を与えるかは不透明です。中国経済が減速すれば、日本の株価にも影響を与えると考えられます。3つ目は、企業業績の伸びの鈍化です。株価は企業の業績の伸びという期待も込めて上がる側面があるため、その企業業績の伸びが鈍化するとなると株価も調整する可能性があります。基本的には年末に向けて株高になっていくアノマリー(クリスマス・ラリー)と呼ばれるものがあります。今年がどうなるかはわかりませんが、今年中に買い場があるとすれば、上記の3つの点に対して決着や相場がどう反応するのかを確認した後になるのではないか(少なくとも少しは安全になるのではないか)と考えています。


次回は2021年の12月下旬に、2021年の振り返りとして、コラムにまとめたいと思います。引き続き、皆様のお役に立つ情報を発信していきますので、宜しくお願い致します。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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