海外ニュース編 Coinbase(コインベース)とWells noticeについて/中国恒大集団(Evergrande Group)の債務問題
こんにちは。
exit.です。
今回は、海外の気になるニュースについて取り上げたいと思います。
1つ目は、Coinbase, Inc.(ティッカー:COIN、以下コインベース)のニュースについて取り上げたいと思います。コインベースがSECより、ウェルズノーティス(Wells notice)を受け取りました(9月8日のニュースより)。ウェルズノーティスとは、SEC(米国証券取引委員会)が企業や個人に対して訴訟を起こす可能性がある場合に送る通知のことです。今回、このウェルズノーティスが送られる原因となったのは、暗号資産(仮想通貨)のレンディング・サービスです。このレンディング・サービスは暗号資産を貸し出すことで、利息を稼ぐことができるサービス(サービス名:Lend(レンド))です。これに対して、SECが警告を出した形です。コインベース側は、CEOのブライアン・アームストロング氏は今回のSECの警告に対して、不可解な行動である、として批判しています。SECの担当者は今回の件に関しては、ノーコメントとしています。ただし、ゲンスラー氏は、暗号資産(仮想通貨)に対しての規制強化を度々訴えてきていました。今回のコインベースの件に関しても、”the wild west of our financial system(金融システムの西部地方 (アメリカの開拓時代) )”であり、”desperately needs rules of the road(規則の整備が強く必要である)”という認識をしています。SECはあくまでの投資家の保護の観点から動いています。レンドのサービスが、証券と同様の性質を持っていると判断をされているのではないかと思います。コインベースとSECの対話が今後どのように行われて、どのように決着するのかは、現時点では不透明で今後の経過次第によっては、コインベースの株価に大きな影響をもたらす可能性もあります。
以下のリンクは、コインベースの第2四半期の決算について取り上げたものです。ご参考までにご覧いただければと思います。
コインベースのニュースは以下のリンクよりご確認できます(Bloombergの英語版の記事です)。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-09-08/QZ47DIT0AFB701
2つ目は、中国の不動産開発の大手である中国恒大集団(Evergrande Group:エバーグランデ・グループ)の債務問題を巡るものです。今までの無理な不動産開発の結果、多額の負債を抱え、現在金融機関などに対して返済条件の交渉などを行わなければならない状況に陥っています。事業の多角化を行っていましたが、採算面について疑問符が付くようなものも多く含まれており、不採算事業の売却などや不動産の販売(割引して投げ売りをしているような状況)によって、返済の原資を確保していかなければなりませんが、中国共産党政府の一存次第では、デフォルトする可能性も捨てきれないというのが現状です。負債の額は全体で30兆円に及ぶと言われていますので、本当に中国恒大集団がデフォルトしてしまった場合の経済への影響は非常に大きなものになります。同社のビジネスモデルは負債に依存したものとなっています。借入を行い大規模な不動産開発を行い、不動産販売から得られた利益にさらに借入を行い、不動産開発を行う、ということを繰り返していました。中国の不動産市況が堅調なうちはまだ何とかなってきましたが、ここにきて中国共産党政府が不動産バブル(不動産価格の高騰)を問題視し始めたことも同社にとってはマイナスに作用しています。同社の破綻がリーマンショッククラスの経済危機につながる可能性を指摘する記事なども目にしますが、米中の経済分離が進んでいることもありリーマンショックのような世界同時不況になるかどうかは不明なところもあります。ただし、ブラック・スワンとなる可能性はありますので、注視しておく必要があると思います。
中国恒大集団のニュースは以下のリンクよりご確認できます(France 24の英語版の記事です)。
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