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世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc. 第3回目

世界経済 海外企業決算編 DocuSign, Inc. 第3回目

こんにちは。

exit.です。

今回は、2021年9月2日に第二四半期の決算発表を行ったDocuSign, Inc.(ティッカー:DOCU、以下ドキュサイン)について取り上げたいと思います。


第二四半期の決算数値で、512百万ドルで前年同時期の342百万ドルと比較すると約50%の増加となっています。通年では、981百万ドルで前年の639百万ドルで約54%の増加となっています。一株当たり利益は-0.13ドル(Non-GAAPでは0.47ドル)であり、市場予測の-0.09ドルと比較するとクリアはしていませんが、Non-GAAPの0.4ドルはクリアしています。サブスクリプション売上(月額課金)は全体の96%を占めています。その他の売り上げは4%となっています。顧客数は順調に増加しており、今四半期では100万人を超えており、企業・商業利用の顧客数は約15万社となっています(ドキュサインの利用者は10億人を超えています)。


キャッシュフローを見てみると、営業キャッシュフローは第二四半期の178百万ドル(通期313百万ドル)で、前期同時期の118百万ドル(通期177百万ドル)と比較して成長していることが分かります。フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー)は第二四半期で143百万ドルと通期208百万ドルです。投資キャッシュフローの中で資産の購入によるものだけを考慮すると、フリーキャッシュフローは162百万ドルと285百万ドルとなります。前年の数値はそれぞれ、39百万ドル(設備投資のみ考慮した場合は100百万ドル)と268百万ドル(設備投資のみ考慮した場合は133百万ドル)となります。


ガイダンスについても発表をしています。第三四半期の数値としては、売り上げが526百万ドル~532百万ドル、通年では2,078百万ドル~2,088百万ドルを見込んでいます。利益率としては、売上総利益率を79%~81%、営業利益率を17%~19%(いずれもNon-GAAP)を計画しています。市場予測の第三四半期の売上高は520百万ドル、通年では2,050百万ドルとなっていますので、会社発表のガイダンスの数値はクリアしている状況です。


今後もアメリカ国内だけではなく海外でも売り上げの増加が見込まれる企業になっています。海外での売り上げは前年同期比で71%増加しており、第二四半期での売り上げの22%を占めるまでに成長をしています。アメリカで市場シェアを大きくしていくことが今後もできれば、アメリカの企業とビジネスを行う他国の企業への営業や販売促進が行いやすくなると考えられます。


指標面からみると割高感は否めず、さらに成長率が徐々に下がってきていますので、決算が市場予測をクリアしている間は大丈夫だと思いますが、次回の決算がズーム(ティッカー:ZM)のように市場予測を下回る結果となると株価が大きく下がる可能性はあります。また、テーパリングがどうなるのかも注目のポイントとなっています。市場がテーパリングを織り込んでいる、という観測もありますが、テーパリングを織り込んでいないとする市場関係者もいますので、どちらの場合でも対応できるように柔軟に対応できるポジションを組んでおく必要があると思います。ただ、テーパリングにより相場が下がることがあってもその影響は一時的であると考えています。株式から資金を退避させたとしてもその資金はどこかで運用する必要があります。一時的にテーパリングで利回りが上がるかもしれませんが、債券市場に資金が向かえば、利回りは下がります。結局、資金は株式市場に戻ってくるしかないのではないかと考えられるためです。


最後は、株式市場全般の話となりましたが、ドキュサインはまだ市場予測を上回る決算内容を出し続けています。成長率の鈍化が気がかりではありますが、デジタル化が進む世界の中での注目企業の一つではあると思います。


ドキュサインの投資家向けの情報は以下のリンクより確認いただけます。

https://investor.docusign.com/investors/home/default.aspx


以下は、ドキュサインの前回の決算について取り上げたコラムです。併せてご覧いただければと思います。


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。


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