世界経済 海外企業決算編 Zoom Video Communications, Inc. 第3回目
こんにちは。
exit.です。
2021年8月30日にZoom Video Communications, Inc.(ティッカー:ZM、以下ズーム)の第二四半期の決算発表がありました。今回はその内容を見ていきたいと思います。
2021年第2四半期の売り上げは1,021百万ドルで昨年同時期の664百万ドルと比較すると約54%の増加となっています。売上総利益率は約74%で前期の第二四半期の約71%と比較して高くなっています。2021年の6カ月では売り上げは1,978百万ドル(売上総利益率は約73%)で2020年の売上992百万ドル(売上総利益率は約70%)で売り上げは2倍近い成長を見せています。今期の費用面に関しては、研究開発費の売上高に占める割合は8%程度となっており、会社は今後も売上高の8%~10%ほどを研究開発費が占めることになると発表をしています。第二四半期の1株当たり利益は1.36ドルと前期の0.92ドルと比較して約48%の増加となりました。通年ではそれぞれ2.67ドルと1.22ドルとなり、2倍以上の増加となっています。
キャッシュフローに注目をすると営業キャッシュフローが468百万ドルとなっています。前期の401百万ドルから約17%増加しています。また、今期のフリーキャッシュフローは324百万ドル(設備等の購入のみを投資とした投資キャッシュフローを利用した場合のフリーキャッシュフローは455百万ドル)となり、前期の373百万ドルから約22%の増加となっています。それぞれを通年で見ると営業キャッシュフローは1,001百万ドルと660百万ドル、フリーキャッシュフローは-363百万ドルと425百万ドル(設備投資のみを投資キャッシュフローとした場合は、909百万ドルと625百万ドル)となります。同社が営業活動により引き続きしっかりとキャッシュを稼ぎ出していることが分かると思います。
決算内容の説明で、ズームは第三四半期の1株当たり利益の予測を1.07ドル~1.08ドルとしていましたが、これは市場予測の1.09ドルを下回っています(第三四半期の売上高は1,015百万ドル~1,020百万ドルの間を想定していると発表しています)。このことに加えて、成長の伸びの鈍化が意識されたことやコロナ後の業績への懸念などの理由で、決算発表後のアフター・マーケットではズームの株価は10%超の下落をしています。但し、ズームは通年の見通し(ガイダンス)の1株当たり利益を4.56ドル~4.61ドルから4.75ドル~4.79ドルへと上方修正をしています(売上高と営業利益もそれぞれ上方修正しています)。
※1株当たり利益はNon-GAAP EPSを利用しています。市場予測もNon-GAAP EPSを利用しています。
※米国株式は立会時間(取引時間)以外にも、プレ・マーケットと呼ばれる立会時間前取引とアフター・マーケットと呼ばれる立会時間後取引があります。立会時間以外での取引は株式の取引量が少なく、株価が大きく動く場合もありますので、注意が必要です。
第一四半期と第二四半期の間でのイベントとしては、6月29日にKites GmbHの買収、7月18日にFive9の買収(買収完了は2022年の前半を予定)、7月21日にはZoom AppsとZoom Eventsの立ち上げを発表しています。Kites GmbHは、ドイツにあるAIを活用したリアルタイムの言語翻訳技術を開発する会社です。将来的には、同社の音声翻訳技術をZoomに実装することで、言語の壁を取り除き、コミュニケーションをよりスムーズに行うことができるようになる可能性があります。Five9は、クラウドコールセンターサービスを提供する会社です。世界中で2000社を超える顧客を持っているとされており、Zoom Phoneの販売に貢献すると考えられます。
ズームに関する今後の注目のイベントとしては、9月13日~14日の間に開催されるZoomtopiaがありますここでは、バーチャル・ネットワーキングを行うと同時に、製品のアップグレードやズームフォン等についても取り上げる予定としています。決算発表も注目をされていましたが、Zoomtopiaでどのような話が出てくるのかについても注目する必要があると思います。競争が激しくなっていること、成長率が落ちたこと、次の第三四半期の利益予想が市場予測を下回っていることなどリスク要因がありますので、そのことは念頭に置いておく必要はあると思います。
以下は、ズームの投資家向け資料のページのリンクです。
以下のリンク先のコラムでは、ズームの第一四半期の決算について取り上げて解説をしています。今回のコラムと併せてご覧いただければと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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