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世界経済 海外企業決算編 Vimeo 第2回目

世界経済 海外企業決算編 Vimeo 第2回目

こんにちは。

exit.です。

今回は以前に取り上げましたVimeo, Inc.(ティッカー:VMEO、以下ヴィメオ)が2021年8月6日に親会社のIACからスピンオフして市場で取引されるようになってからの初めての決算を発表しています(10-Qと呼ばれる四半期報告書)ので、その内容を見ていきたいと思います。


2021年の4月~6月までの数値を2020年の同時期の数値と比較をしますと、売上の増加に対して売上原価は大きくは増加をしていないため、売上総利益は大きく伸びているのですが、研究開発費やマーケティング費用などが増加しており、その結果営業赤字となっています。第2四半期の売り上げは2021年の93,046千ドルに対して2020年は67,334千ドルでしたので、約1.4倍となっています。半期で見ますと185,468千ドルと124,302千ドルなので、約1.5倍となっています。売り上げは増加をしていますが、売り上げの伸びは鈍化しているように見えます。定額料金を払って利用する利用者(Subscriber)の増加は2021年の4月21%、5月18%、7月17%、となっており、こちらも利用者は増加をしているのですが、増加率は少しずつ減少していっているように見えます。第2四半期の1株当たり利益は-0.13ドルと-0.09ドル、半期では-0.11ドルと-0.22ドル(それぞれ2021年、2020年)となっています。

※営業損益では、第2四半期は-20,312千ドルと-12,346千ドル、半期では-25,911千ドルと-29,539千ドルとなっています。


キャッシュフロー計算書を見ますと、営業キャッシュフローは第2四半期比較では18,173千ドルと10,575千ドルとなっており、フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー)は18,093千ドルと10,219千ドル、半期では、営業キャッシュフローがそれぞれ18,151千ドルと10,187千ドル、フリーキャッシュフローはそれぞれ25,704千ドルと9,852千ドルとなっています。ヴィメオは赤字ではありますが、黒字の営業キャッシュフローとなっているのは、前受収益(Deferred revenue)の増加が大きく貢献しています。

※2021年の第2四半期は株式報酬費用(費用項目ですが、キャッシュアウトはしないため営業キャッシュフロー計算時には利益に足し戻される費用です)の影響も大きく出ています。


企業の決算を見るときには、売り上げや利益の成長を見ます。売り上げが成長しても利益があまり伸びていないとなった場合には、その要因について見ていく必要背があります。販管費が増えたのか、売上原価が高くなっているのか、特殊な事情による一時的な要因なのか(固定資産の売却損益や子会社の清算損益など)を見ていく必要があります。もし、利益の減少が一時的な要因によるものであれば、そのことを念頭に置いて(割り引いて)考えていくことが大切です。そして、ガイダンスと呼ばれる企業側が発表する計画や見通しも確認する必要があります。この企業側の決算や見通しは将来の企業の株価を予測するアナリストたちにも影響を与えます。企業の決算の中で、良い決算と呼ばれるものは、売上高や利益(特に一株当たり利益)に加えてガイダンスのすべてが充実している必要があります。これらの中の一つでも未達となったり保守的すぎるガイダンスを出したりする、というようなインパクトに欠けるものであれば、アナリストたちや投資家たちの会社に対する将来見通しに疑問符が付くことになり、株価への反映がされなかったり、逆に株価が下がる結果になってしまいます。上場している企業にとって決算は真剣勝負の場であると言えるかもしれません。


ヴィメオを取り上げた前回の弊社のコラムへのリンクです。企業概要やサービス内容にも簡単に触れていますので、併せてご覧いただければと思います。


以下はヴィメオの投資家向け情報のページへのリンクです。

https://investors.vimeo.com/investors


次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。


本コラムは、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。投資判断は投資家の皆さまの自己責任でお願い致します。