投資の知識 為替ヘッジの考え方
こんにちは。
exit.です。
今回のコラムでは、為替ヘッジの考え方について見ていきたいと思います。
最初に為替ヘッジとは何かということを改めて説明しますと、外貨建て(ドルやユーロなど)で投資を行う際に為替の変動による為替差損益を回避するために、為替予約や先物取引などで為替変動リスク(円安や円高)を抑えようとすることです。ただし、為替ヘッジにはコスト(ヘッジコスト)がかかり、それは例えばアメリカと日本の金利の差に該当します。金利差が拡大すればヘッジコストが大きくなり、金利差が縮小すればヘッジコストは小さくなります。
為替ヘッジを行う投資信託が販売をされていたりしますが、為替ヘッジを行ったほうが良いのか、為替ヘッジを行わないほうが良いのかについては様々な考え方があると思いますので、それらを見ていきたいと思います。
①先進国/新興国のような国に応じたヘッジ
先進国のような政治や経済が安定している国であれば、為替の動きも比較的安定的に推移する一方で、新興国のように経済的・政治的に不安定になりやすいなどの要因がある国では、為替の動きが不安定になることが多いです。安定している国(先進国)の通貨に対してはヘッジをせず、不安定な動きになりやすい国(新興国)の通貨に対してはヘッジを行う、という考え方があります。
②株式や債券などの資産クラスに応じたヘッジ
株式のような高いリターンを期待できる資産への投資に対しては、多少通貨が変動しても構わないと考えてヘッジをせず(為替の変更を考慮しても十分なリターンを狙える)、債券のように高いリターンを狙えない(狙いにくい)資産への投資に対しては、通貨の変動幅次第ではリターンを十分に確保できない可能性があるためリスクを減らすためにヘッジを行う、という考え方です。
③リスクリターンのバランスに応じたヘッジ
考え方としては、先進国や新興国のような国に応じたヘッジと株式や債券などの資産クラスに応じたヘッジの2つを混ぜ合わせたような考え方です。例えば、債券であれば先進国の債券は利率が低く、ヘッジを行ってしまうとリターンが残らないため、為替ヘッジを行わないが、新興国の債券であれば、利率が高くヘッジを行ってもある程度リターンが確保できると判断してヘッジを行う、などの考え方です。
リスクを少しでも抑えるために為替ヘッジを行うほうが良いのか、コストやリターンを考えて行わないほうが良いのか、様々な考え方があると思います。大切なのは、リターンだけを考えた結果、リスクが全く考慮されていないという状態を避けることです。リターンの大きさだけに目を向けて、必要なリスクヘッジを怠ってしまうと、下落相場で自分が思っている以上の損失(含み損、実現損の両方を含む)を出してしまう可能性があります。資産運用のポートフォリオを作る際に、日本国内の資産への投資だけではなく、外国資産への投資も多くの場合で考える必要が出てくると思います。その場合に、為替変動リスクと自分のリスク許容度のバランスをとる必要が出てくると考えます。
以下のコラムでは投資信託と為替ヘッジ及びヘッジコストについて取り上げておりますので、是非併せてご覧いただければと思います。本コラムもリンク先のコラムも為替ヘッジについての考え方のご紹介ですので、ご自身のリスク許容度にあったものを選んでいただく際の一助になればと思います。
次回も皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
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